研究課題/領域番号 |
18K02090
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研究機関 | 横浜市立大学 |
研究代表者 |
陳 礼美 横浜市立大学, 国際教養学部(都市学系), 教授 (40510160)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | ボランティア / 社会福祉 / 地域福祉 / 高齢者福祉 / NPO / ボランティアマネージメント / ソーシャルワーク / 資源開発 |
研究実績の概要 |
本研究では、(1)調査票の修正と(2)サンプル数の増加を行った。高齢者ボランティアが活動する福祉系ボランティアを対象にアンケート調査を行った。アンケートの回収率が5割を切っていること、コロナ禍における調査であることを理由に、研究メソッドを見直した。先ず、回答率が低かった項目を修正または省いた。その結果、アンケートは47問あったところを27問までにした。次に、サンプル数の増加を行うため、新たにサービスB事業に関わっているNPOを探して、アンケートを送った。これらの点を見直すことで、回収率は順調に伸びた。 本研究のデータ分析を行ったところ、ボランティア数は40~49歳台、70~79歳台が最も高く、50歳台、60歳台が少ない傾向にあった。これは社会生活基本調査と同じ結果となった。アンケートと合わせて、フィールドワーク調査からわかったことは、全体的にボランティアの高齢化は進んでおり、どこの団体も活動の担い手が徐々に不足している。そのため、団体活動の縮小を図っているところが多いこともわかった。 ボランティアの心身の低下、障害、病などを想定して、役割の柔軟性、合理的配慮などに積極的に対応したい姿勢がうかがえた。しかし、実際にそのような対応をした団体は少ないこともわかった。 ボランティアを維持するためのインセンチブは、食事や駐車スペースの確保などがあげられていた。ボランティアの功績をたたえるような活動もあった。しかし、ボランティアの学習機会やトレーニングを提供している団体は少ないこともわかった。トレーニングは主にコンピュータの使い方に偏っていた。地域の専門職不足に伴い、今後はボランティアの積極的な専門性が求められていくことを示唆し、団体が提供できる技術と知識を得る機会は増えていくと考える。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
コロナ禍と私的な理由(新しい赴任先、ダブルケア)を理由に研究成果を得るまでに時間がかかっている。
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今後の研究の推進方策 |
昨年度後半からアルバイトを雇用し、データ収集を進めている。半期までデータ収集を終えて、データ分析を本格的に行う。組織の内面的な強みや弱みが把握できたので外面的な機会と脅威をフィールド調査や2次データ分析を通して進めていく。主に財源、マンパワー、高齢者・介護計画などと照らし合わせて、そのボランティアの確保状況やNPOの運営力と照らし合わせて分析する。
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次年度使用額が生じた理由 |
グローバルパンデミックを受けて、昨年度は海外・国内出張は全くできず、また海外の研究協力者の招聘もできなかったため、次年度使用額が生じた。今年度も海外との研究はオンラインで行う予定なので、その代わりにアルバイトを雇用し、研究に生じている遅れを少しでも取り戻せるようにする。
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