研究課題/領域番号 |
18K02094
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研究機関 | 山陽学園大学 |
研究代表者 |
目良 宣子 山陽学園大学, 看護学部, 教授 (20511596)
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研究分担者 |
山田 恒 兵庫医科大学, 医学部, 講師 (20464646)
鈴木 太 福井大学, 子どものこころの発達研究センター, 准教授 (30542683)
牧野 拓也 福井大学, 子どものこころの発達研究センター, 特命助教 (20813752)
山本 智津子 摂南大学, 看護学部, 講師 (30511589)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | 社会的機能低下 / 困難層 / 発見 / 身体障害 / 精神障害 / 知的障害 / ひきこもり / sSOFAS |
研究実績の概要 |
美作市と大学研究機関が協働し、美作市における「生活と健康に関する調査」を市民の現状把握と今後の政策展開の基礎データとすることを目的として実施した。具体的には、ひきこもりなど地域の中に潜在する困難者を発見し、適切な支援につなぐための体制構築を目指しており、その基礎資料とするためである。2018年10月1日現在で美作市に住民票を有する20~65歳以下の13,220人を対象として、同年11月~2019年3月に郵送返送方式の一次調査を実施した。生活に困難をかかえる者の多くは、社会的機能が低下しているのではないかという仮説を立て、調査項目に、仕事・家事・育児・介護等の社会活動と、家族以外の他者との交流状況を組み込んだ、いわゆるスクリーニング調査である。その他、BMI(肥満度指数)と摂食行動、睡眠障害、飲酒状況、インターネット依存、不安とうつの簡易スクリーニング、自由記述の困りごと等の項目であるが、その結果については、美作市ホームページを参照してほしい。4,271人(32.3%)の回答者のうち、仕事・家事・育児・介護のいずれも「していない」と回答の方及び『仕事をしていない』と回答の内、『親しい人との会話がこの4週間にはなかった』、『親しくない人(親しい人以外の人)との会話がこの4週間にはなかった』、『(家族を除き)誰とも会話をしなかった』と回答の方240名(5.6%)を二次調査の対象として、2020年9月~11月に岡山県国保連合会に事務局を置く在宅保健師の会に委託して、そこに所属する退職保健師8名による訪問調査を実施した。その内容は、一次調査で困難をきたしている背景(原因)を探るため、身体疾患の調査や精神障害の構造化面接を実施した。実際の対象者は235件であり、訪問時同意が取れたのは128件(回収率54.5%)であった。その結果は現在分析中である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
一次調査の分析までに時間を要したものの、その結果を受けて対象者を抽出した二次調査(訪問調査)について、岡山県国保連合会に事務局を置く在宅保健師の会(ももの会)に委託した結果、8名の保健師による235件の訪問調査が当初の予定より短期間で終了することができた。現在二次調査結果の分析中であるが、新型コロナウイルス感染症にかかる自粛により、研究者間で最終的な個別の検討や美作市への報告が延期されている状況である。
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今後の研究の推進方策 |
最終的な調査の結果を受けて、美作市におけるひきこもり等困難層への個別の特性に対応する支援体制の構築に向けての取り組みへの参画と、調査結果を学会等で公表していく予定にしているが、自粛による活動の停止や延期によって、今年度については見通しが立たない現状である。
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次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナウイルス感染症の関係で、調査結果の最終的なまとめの検討会や市での報告会が延期になり、事態の経過を見ながら次年度中には開催するとともに、調査結果を受けての支援体制を検討し、次年度以降相談窓口の開設等支援の標準化に向けて取り組む予定である。また、調査の結果は学会等で報告する。
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