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2021 年度 実施状況報告書

「被害者の視点を取り入れた教育」の実践に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 18K02097
研究機関武庫川女子大学短期大学部

研究代表者

大岡 由佳  武庫川女子大学短期大学部, 心理・人間関係学科, 准教授 (10469364)

研究分担者 肥後 有紀子  武庫川女子大学, 生活環境学部, 准教授 (60550770)
研究期間 (年度) 2018-04-01 – 2023-03-31
キーワード被害者 / トラウマ / 教育
研究実績の概要

2021年度は、「犯罪被害者の視点を取り入れた教育」を行うための教育コンテンツ作成、および、学会報告を行った。また、科研費終了後の教育コンテンツ活用について検討を進めた。
1.教育コンテンツ作成とその効果測定  実際の被害者の教材として、虐待を受けて大きくなった成人男性、および、性被害に遭った成人女性のインタビューを行い、また教材として動画作成を行った。被害状況の語りは視聴者にとってイメージしずらいため、イラストレーターに再現してもらった状況をイラスト化してもらい動画に埋め込んだ。今まで作成してきた動画コンテンツを、保護観察所や、児童養護施設等の研修時に活用し、その効果を測った。被害者の視点について、理論や概念で伝えるよりも、生の声は、視聴者の心に響き、共感を呼びやすいことが分かった。一方で、被害体験の種類(昨年作成した、殺人未遂被害の被害者の動画)によっては、自分の身には起こりづらいと思ったときに、共感を呼びづらいことも明らかになった。
2.学会報告  上記で述べた被害者の視点を盛り込んだ教材効果について、The 12th Annual Conference of the Asian Criminological Society (ACS2020)、および、日本社会福祉学会にて報告した。実際の生の声は、感情に訴えかけることを確認した。また、このような被害者の視点は、社会に十分に共有出来ていなかったことを再確認した。
3.成果の活用の検討  科研費研究終了後に、この研究成果を社会に活かしてもらうための検討を始めた。動画コンテンツの知財の契約を交わして、被害者支援をする団体で普及啓発をしてもらえるよう整えていくつもりである。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

教育コンテンツも完成し、その効果の検証も終えることができた。

今後の研究の推進方策

作成した教育動画について、コロナ禍に鑑み、オンラインで鑑賞できる仕組みに乗せて、その教育効果を測っていく。

次年度使用額が生じた理由

コロナ禍により、効果検証や学会の研究出張がオンライン開催となり、制限されたため、使用額が生じた。最終年度は、対面実施が再開されるため、それらの研究出張にて活用する。

  • 研究成果

    (9件)

すべて 2022 2021

すべて 雑誌論文 (4件) (うち査読あり 2件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (2件) (うち国際学会 1件) 図書 (3件)

  • [雑誌論文] 逆境的小児期体験の影響―成人2事例の語りから.2022

    • 著者名/発表者名
      大岡由佳、肥後有紀子、岩切昌宏
    • 雑誌名

      学校安全推進センター紀要

      巻: 第 2 巻. ページ: 46-55.

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] 犯罪被害者等支援と福祉連携.2022

    • 著者名/発表者名
      大岡由佳
    • 雑誌名

      精神科Resident.

      巻: Vol3.No.2. ページ: 2-3.

  • [雑誌論文] ソーシャルサポートと複雑性PTSD (特集 複雑性PTSDと接する : さまざまな治療的アプローチ).2021

    • 著者名/発表者名
      大岡由佳
    • 雑誌名

      精神療法

      巻: 47 (5) ページ: 632-634

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 犯罪被害者の人権2021

    • 著者名/発表者名
      大岡由佳
    • 雑誌名

      ひょうご人権ジャーナルきずな

      巻: 11月号 ページ: 6

  • [学会発表] Sharing Perspectives Connecting Perpetrators and Victims-Trauma Informed Care.2021

    • 著者名/発表者名
      Yuuka Ooka.
    • 学会等名
      The 12th Annual Conference of the Asian Criminological Society (ACS2020)
    • 国際学会
  • [学会発表] 犯罪被害者支援の必要性-加害者支援の対にある被害者支援への福祉専門職の関与に向けての教育の在り方-.2021

    • 著者名/発表者名
      大岡由佳
    • 学会等名
      日本社会福祉学会 第69回秋季大会.
  • [図書] 「第13章 支援者支援:トラウマ・インフォームドケア理解の心理教育」大江美佐里編『トラウマの伝え方:事例でみる心理教育実践』2021

    • 著者名/発表者名
      大岡由佳
    • 総ページ数
      158ページ(うち、148-158).
    • 出版者
      誠信書房.
  • [図書] 「犯罪被害者等の支援」『現代の精神保健の課題と支援』2021

    • 著者名/発表者名
      大岡由佳
    • 総ページ数
      305ページ(うち、p129-134.)
    • 出版者
      中央法規
  • [図書] 「犯罪被害者等支援に関する制度の概要」『刑事司法と福祉』2021

    • 著者名/発表者名
      大岡由佳
    • 総ページ数
      278ページ(うち、p229-250.)
    • 出版者
      中央法規

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公開日: 2022-12-28  

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