研究課題/領域番号 |
18K02099
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研究機関 | 地方独立行政法人神奈川県立病院機構神奈川県立こども医療センター(臨床研究所) |
研究代表者 |
大山 牧子 地方独立行政法人神奈川県立病院機構神奈川県立こども医療センター(臨床研究所), 臨床研究所, 部長 (30574751)
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研究分担者 |
豊島 勝昭 地方独立行政法人神奈川県立病院機構神奈川県立こども医療センター(臨床研究所), 臨床研究所, 部長 (50307542)
盛一 享徳 国立研究開発法人国立成育医療研究センター, その他, 室長 (50374418)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | 極低出生体重児 / 発達障害 / 養育レジリエンス |
研究実績の概要 |
わが国では低出生体重児の出生割合が増加しており、とくに出生体重1500g未満の極低出生体重児の育児支援は喫緊の課題となっている。極低出生体重児は種々の合併症や発達・発育の不均衡など、正期産児に比べ、保護者の育児負担感が大きいとされており、また未熟な状態で出生することから集中管理が必要となるため児と親とが長期にわたり分離されることから、愛情形成や児の受け入れに困難が生じることがあるとされている。 神奈川県立こども医療センター新生児科では、同院を退院した極低出生体重児に対し、病院と医療情報を共有することで、保護者の児に対する理解が深まり児への関わり合いが変化するかについて検討を行っており、病院と保護者との間でスマートデバイスを介し、受け手に合わせた医療情報の共有を行えるシステムを構築した。病院内電子カルテシステム及び重症部門システムから、患者アウトカム評価に必要な情報を抽出し、患者単位で自動的に蓄積できるデータベースを構築した。また参加同意をした患者については自動的に外部クラウド型カルテシステムへデータが送信され、患者はスマートデバイス上のブラウザアプリを通じて、理解がしやすい形に変換された医療情報を受け取れるシステムを構築できた。 様々な障害や疾病を抱え得る極低出生体重児(1500g未満)の養育者(両親)について 新生児集中治療室(NICU)退院後の養育者の状況を、うつ指標、ボンディング指標、かかわり指標、レジリエンス指標等を用いて経時的に把握する養育者のレジリエンス向上につながると考えられる子どもの特性を理解し知識の習得を促すための情報提供を、情報通信技術(スマートフォンアプリケーション)を用いた介入プログラムの導入前後での比較研究を開始した。養育者のレジリエンスが変化するかを明らかにするとともに、情報提供という介入の効果を客観的に検証する予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
養育レジリエンスを向上するための情報通信技術を利用した介入プログラムを当初の計画より早期に完成することができたので、この介入プログラムの有無で極低出生体重児の養育者のストレス緩和ができるかの実証研究に入っている。
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今後の研究の推進方策 |
情報通信技術を利用した介入プログラムの導入前後で養育者のストレス緩和について比較研究するための症例登録を継続する。
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次年度使用額が生じた理由 |
アプリケーション開発への費用を他の財源から支出できたために研究費使用を抑制できた。
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