研究課題/領域番号 |
18K02100
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
名川 勝 筑波大学, 人間系, 講師 (60261765)
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研究分担者 |
木口 恵美子 鶴見大学短期大学部, 保育科, 准教授 (50511325)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 意思決定支援 / 障害者権利条約 / オーストラリア / ノミニー / リスク / Talking Mats |
研究実績の概要 |
2020年度末に現地(シドニー、メルボルン)でのインタビュー調査を計画していたが、コロナ禍により中止となった。終息を待ち可能になり次第実施する予定だったが、終息の兆しはなく調査の実施には至らなかった。そのため、2019年度に収集した資料の整理等を行った。 positive risk taking あるいは risk enablement と言われる考え方と、意思決定支援における位置づけについて、主にイギリスとオーストラリアの文献を用いて整理した。positive risk taking として英国で提唱されたのは2004年だが、それ以前から認知症ケアの文脈でリスク評価の見直しとしての動きがあった。その後、意思決定支援の重要な要素として位置付けられるようになる。支援者の研修プログラムとしてpositive risk takingも加えられることは多いが、もっとも具体的かつ学習しやすいのが、La Trobe大学で開発されたおプログラムであると思われる。2020年度はこのプログラムについて分析し、事例検討部分の日本版の検討を行った。 スコットランドで開発された Talking Matsの日本語版を用い、評価と記録の方法を検討した。またTalking Matsと同様の手順によるリスク認識調査を知的障害者とその支援者に対して実施し、結果を比較した。まだ調査数が十分ではないため、今後も引き続き調査を行う必要がある。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
コロナ禍で、計画していたインタビュー調査が実施できなかったため。
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今後の研究の推進方策 |
2021年度も渡航調査が困難と見込まれることから、オンラインによるインタビューに変更し、滞っていた次の調査を行う予定。(1)ノミニーと後見人の関係について、サービスプロバイダー等を対象とする調査、(2)ビクトリア州の新後見法の影響、(3)positive risk takingプログラム検討。 また Talking Mats の記録と評価の検討、リスク認識に関する調査については引き続き実施し、結果を整理する。
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次年度使用額が生じた理由 |
予定していた現地調査が実施できなかったため。次年度のオンラインによるインタビューの検討に伴う通訳費用と、文献調査に伴う翻訳費用等および機材調達等に使用する。 また、リスク認識調査実施とTalking Mats記録・評価検討にかかる旅費、謝金等に使用する。
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