研究課題
最終年度はオーストラリアにおいて、重度知的障害者の意思決定支援についてならびに、positive risk takingについて、それぞれの研究者と意見交換するとともに、日本で進めている研修プログラムの日本版について検討した。positive risk takingに関する研修プログラムについて日本版を試行した。リスクに対する知識と認識には一定の変化が伺えた。またリスク認識に関する調査をカードを用いて比較した。リスクについては知的障害のある本人、支援者ならび支援者から見た本人のリスク推定、それぞれを比較した。これについては引き続きデータを収集していく。加えて、知的障害を持つ若者に向けてにオーストラリアで開発されたコミュニケーションカードMe360の検討を行なった。カードの内容は①自分にとって重要なこと、②自分の強み、③目標、④生活と学校、⑤支援、⑥発言、⑦選択から構成されており、各10枚に質問が書かれている。学校で将来のことを考える場面や、支援サービスの利用で計画を作成するときに用いることが想定されている。知的障害者の意思決定支援を考える際に上記の⑦項目は示唆に富み、中でも⑥の発言については、今後日本においても重点的に取り組む必要があると考えられる。また、カードのようなコミュニケーションのためのツールを用いることも、知的障害者にとっては有効であると考えられ、国内版の作成や活用が今後の課題である。
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鶴見大学紀要
巻: 第60号第3部 ページ: 57-61
発達障害研究
巻: 44(1) ページ: 48-50