研究課題
本研究では、実施計画に挙げた第一の連携モデル(地域司法精神保健福祉モデル)について、当該サービスが広く展開されてきた米国コネティカット州を対象として、2019年3月に実地調査を行った。精神保健福祉局司法サービス部門、公的弁護人局および裁判所において、ソーシャルワーカーらと面談し、対象者の社会復帰を支える精神保健福祉サービスとの連携状況と課題を明らかにすることができた。第二の精神保健裁判所モデルについては、コロナ禍のため米国での調査を見送ることとなった。一方で、従来参加が難しかった国際学会や研究会にオンラインで参加する機会を持ち、精神保健裁判所モデルの現状と課題について情報収集を行い、研究を推進することができた。これらの調査結果をもとに比較検討した結果、第一の地域司法精神保健福祉モデルが日本においても有効に活用可能であると判断し、研究結果のとりまとめに取り組んだ。最終年度は、Academic & Health Policy Conference on Criminal Justice Health第15回大会(2022年4月)に参加し、刑事司法手続きの各段階における地域連携の課題について、研究結果をもとに発表を行った。また、本研究で明らかになった課題を踏まえ、地方再犯防止推進計画の実行における地域連携の可能性について、日本更生保護学会第11回大会(2022年12月)にて報告を行った。再犯防止推進計画では、保健医療・福祉サービスの利用の促進も重要な施策として掲げられる中、刑事司法に関与した精神障害者の社会復帰を地域福祉の課題として捉え、地域精神保健福祉サービスと刑事司法システムの連携モデルの有効性と可能性を明らかにしていったことに、本研究の意義があるものと考える。
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福祉社会開発研究
巻: 15 ページ: 57-65
東洋大学社会福祉研究 = Studies on social welfare, Toyo University
巻: 15 ページ: 12-16
10.34428/00013768