研究課題/領域番号 |
18K02124
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研究機関 | 立正大学 |
研究代表者 |
森田 久美子 立正大学, 社会福祉学部, 教授 (40308127)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 若者ケアラー / ヤングケアラー / ケアラー支援 / 若者支援 / 居場所支援 / 若者支援機関 |
研究実績の概要 |
ヤングケアラー・若者ケアラーの支援に取り組む若者支援機関・団体について資料収集を行い、ヤングケアラーや若者ケアラーに焦点をあてた事業の背景や事業内容、支援内容について整理を行った。ヤングケアラー・若者ケアラーの支援に取り組む若者支援機関・団体については、これまで行ってきた事業を利用する子どもの中にヤングケアラーや若者ケアラーと思われる子どもが存在していることを認識したことを契機に取り組み始めた機関と、ヤングケアラー・若者ケアラーの支援に取り組みだした自治体から、地域におけるヤングケアラー・若者ケアラーのための悩み相談の場や居場所の運営を委託されたことを契機に取り組みを始めた機関とがあった。例えば、前者の認定NPO法人Aは、2011年の東日本大震災を機に、困難を抱える子ども達のための居場所づくりと学習支援を行ってきたが、この居場所や学習支援を利用する子どもの中に、ヤングケアラー、若者ケアラーと思われる子どもが少なからず存在すると考えられたことから、利用者についての実態把握のための調査を実施し、ニーズを把握して、オンラインによる学習支援及びメンターによる保護者の支援のプログラムを立ち上げていた。また、後者では、若者ケアラーについての事件や国によって打ち出されたヤングケアラー支援施策を契機に、ヤングケアラー支援に取り組みだした自治体の委託を受け、若者支援に取り組むNPO法人等の団体や、ケアラー支援に取り組む団体等が、対面やオンラインでのピアサポートグループやオンラインでの悩み相談の場等の支援を行っていた。 また、いくつかの自治体のヤングケアラー支援についての連絡会に委員として参画し、自治体におけるヤングケアラー・若者ケアラーへの支援の取り組み状況を把握すると共に、18歳を超えてケアを続ける若者への支援のあり方について検討を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
障害者施設での社会福祉実習等を担当しており、Cov-19の流行が継続している間、訪問によるヒアリング調査の実施を見合わせることになった。
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今後の研究の推進方策 |
2022年4月より、厚生労働省が「ヤングケアラー支援体制強化事業(ヤングケアラー支援体制構築モデル事業)」を開始し、ピアサポート等の悩み相談を行う支援者団体を支援する等の取り組みを行う自治体に補助金が支給されることになった。これを受け、自治体から委託を受けてヤングケアラーや若者ケアラーの支援に取り組む団体が増加してきている。これらの中には、介護者サポートネットワークセンター・アラジン、ケアラーワークス、ヤングケアラー協会など、ケアラー支援に取り組んできた団体も含まれている。これらの団体に対して、若者ケアラーの支援への取り組みを始めた背景や把握しているニーズ、支援の取組み等についてヒアリング調査を行い、無業の若者の支援ニーズを明かにするとともに、ケアラー支援団体に期待される支援について明らかにしていく。また、若者支援機関を中心に取り組まれているヤングケラー・若者ケアラーへの支援との比較を通じて、ケアラー支援をベースに展開される若者ケアラーへの支援と若者支援機関をベースに展開される若者ケアラー支援の特性を明らかにしてく。
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次年度使用額が生じた理由 |
国によるヤングケアラー支援の取り組みが始まったことにより、ヤングケアラー・若者ケアラーの支援状況は劇的に変化しており、その状況を踏まえた調査検討が必要であるため。
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