研究課題/領域番号 |
18K02131
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研究機関 | 日本福祉大学 |
研究代表者 |
藤原 正範 日本福祉大学, ソーシャルインクルージョン研究センター, 研究フェロー (90410935)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 司法ソーシャルワーク / 立ち直り支援 / 地域生活定着支援センター |
研究実績の概要 |
3つの研究目的についての本年度の研究活動を以下のとおり報告する。 1.全国各地の地域生活定着支援センターの調査:2019年度に引き続き、全国地域生活定着支援センター協議会、各都道府県地域生活定着支援センターから発信される活動状況に関わる情報の収集に努めた。岡山県地域生活定着支援センター等主催「矯正施設を退所した要支援者と地域で共に生活していくために」(2020年2月16日、岡山市)に参加し、障害のある犯罪者の立ち直り支援についての最新情報を収集した。 2.民間組織による新しい発想による立ち直り支援の調査:コロナウィルス蔓延により対面式の研究会、聴き取り調査を実施することができなかった。その代わりに、本研究の推進母体である「司法ソーシャルワーク研究所」が主宰し、7回のオンライン研究会を開催した。そこでは刑事司法手続の各段階において新しい発想で被疑者・被告人の支援に取り組んでいる個人、団体からその実践内容などの説明を受けた。 3.国際動向の調査:2019年度に引き続き「Forensic Social Work(Second Edition)」の翻訳作業を継続している。2020年6月、カナダ・カルガリーで開催予定の「世界ソーシャルワーク・社会開発会議(SWSD2020)」において研究代表者、連携研究者村尾泰弘・橋本和明共同で「Two Groups for Presentence Investigation in Japan」の研究発表を行う予定であった(会議事務局により受理通知あり)が、コロナウィルス流行により会議は中止となった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
「研究実績の概要」に記したとおり、計画した調査活動は継続しているが、コロナウィルスの国内外の蔓延により集合型の会議、研究会を開催することができなかった。そのため本研究の成果を公表し、類似の研究に取り組む国内外の研究者と情報交換、議論する機会が極めて少なくなった。 2018~2020年度の本研究の中間的成果「司法ソーシャルワーク研究中間報告書(2018年4月~2020年3月)」を2021年3月12日に刊行した。
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今後の研究の推進方策 |
本研究の中間的成果である「司法ソーシャルワーク研究中間報告書(2018年4月~2020年3月)」を類似テーマの研究者、この領域の実践者等と広く共有し、犯罪者の立ち直り支援に有効な資源開発についての現状と課題を明確化する。「司法ソーシャルワーク研究所」が本研究終了後も将来にわたり有効な資源を提案できる組織として成長することが究極の目標である。 コロナウィルス流行の動向に左右されるが、集合型の大きな規模の研究集会の開催を追求し、その場で本研究の成果をもとに議論を深めたいと考えている。
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次年度使用額が生じた理由 |
コロナウィルスの国内外の流行により、参加予定であった海外でのセミナー、学術大会、国内の学会、研究会がすベて中止されたため、旅費の支出が0円になった。 本年度、3年間の研究成果を刊行物にして公表するとともに、研究成果に基づく議論の場として規模の大きい研究集会を開催する。残された研究費は、刊行物の印刷製本の費用、研究集会開催の費用として有効に使いたい。
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