研究実績の概要 |
本研究の目的は、司法と福祉の連携の元で、入口支援を通じて事業所の利用に至った触法知的障害者対して取り組まれる、1)国内の司法と福祉の連携の元で取り組むソーシャルワーカーの支援特性および2)障害福祉サービス事業所の受け入れ時の不安とその解消のプロセス、3)各機関による事業所に対するフォローアップの構造とプロセスを定性的に明らかにし、両者の連携体制を検討するものであった。 本研究の成果は、2018年度に「元被疑者・被告人のサービス利用開始後における障害福祉サービス事業所による支援内容の検討」(『司法福祉学研究』第18号,村社卓との共著)、2020年度に「障害のある被疑者・被告人の受入に対する障害福祉サービス事業所職員の不安と不安軽減要因」(『社会福祉学』第61巻第1号,村社卓との共著)として発表するとともに、岡山県立大学大学院保健福祉学研究科博士学位論文「障害福祉サービス事業所における障害のある被疑者・被告人の受入に関する研究」(博甲132号)としてまとめた。 2021年度には島根大学人間科学研究フォーラムに登壇し、「障害福祉サービス事業所における障害のある被疑者・被告人の受入に関する研究」本研究の成果を公表した。2022年度は日本発達障害学会第57回全国大会にて、本研究で得られた知見もふまえた研究報告をした。 一方で研究報告には至っていないものの、島根県内の島根県弁護士会、松江保護観察所、島根県社会福祉士会、島根県精神保健福祉士協会をはじめ、島根県内にある司法や福祉に関する各機関や各種専門職が連携して入口支援などに取り組む「しまね更生支縁ネット」の活動に大きく寄与することができた。
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