研究課題/領域番号 |
18K02150
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研究機関 | 帝京平成大学 |
研究代表者 |
水野 高昌 帝京平成大学, 健康医療スポーツ学部, 准教授 (60458552)
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研究分担者 |
上原 栄一郎 埼玉県立大学, 保健医療福祉学部, 准教授 (00645327)
栄 セツコ 桃山学院大学, 社会学部, 教授 (40319596)
榊 恵子 神奈川県立保健福祉大学, 保健福祉学部, 教授 (90235135)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 精神障害 / グループホーム / 感情知性 / 研修プログラム |
研究実績の概要 |
2021年度は、精神障害者向けのグループホームに従事する10名を調査対象とした訪問によるインタビュー調査を実施した。得られたデータはBerelson、B。の内容分析によって分析した結果、グループホーム職員の業務上の感情知性に関連する182記録単位を抽出した。さらに高次の概念でカテゴリー化し5カテゴリー<葛藤の表出の重要さ>、<世話人の役割としての情緒的な支援>、<感情状態の察知>、<不穏時の対応>、<適度な関係性の構築>が抽出された。これらのカテゴリーを、グループホーム職員の業務における心的なプロセスとして時系列に置き換えてみたところ、それぞれのプロセスで活用されている感情知性とその構成因子との対応が示唆されたため、結果をまとめ千葉県作業療法第11巻1号に投稿・受理され掲載された。 また、精神障害者向けグループホーム職員への研修企画担当者に対するインタビュー調査を実施し、研修プログラムの開発の必要性と研修プログラムの内容に関する提案を得た。その結果、12個の【サブカテゴリー】と2個の【カテゴリー】が抽出された。資格のない者のための訓練の目的、必要性および内容を区別することが必要であること、また、定期的に参加することは困難であり、ニーズが満たされておらず、オンライン研修が必要であることが示唆され、これらの結果をまとめ帝京平成大学紀要第33巻に投稿・受理され掲載された。 以上の研究成果を踏まえて、専門的立場からかつ現場実践の経験知からの意見などを得るための専門家会合を開催し、立案したプログラム試案の採否および内容の検討に関して、追加すべきプログラムなどの提案を受けて、今後の研究活動における研修プログラム案の作成かかわる基礎資料のデータ入手へとつながった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初計画していた研修プログラムの起案及びNominal Group Analysisによる検討会合が開催できた。しかし、インタビューデータ抽出作業や研修プログラムの草案作成に時間を要し、また新型コロナウィルス流行による感染対策等によって研究協力機関でのプラグラム試案の実施が先送りとなってしまったため、研究計画の練り直しが必要になっており、若干の遅れが生じているものの概ね順調に進展していると判断した。
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今後の研究の推進方策 |
2021年度までの研究結果を踏まえ、2022年度は、研修プログラム試案の実施(6~8月)を完了し、それを受けて複数の施設に協力を依頼し(9~10月)研修プログラム案の効果検証を進めていく予定である。2022年度の研究課題として、立案した研修プログラム案を用い、研修プログラムの施行及び効果検証を進めるとともに、本研究の目的である精神障害者向けグループホーム職員の感情知性を育む研修プログラムの開発を完了し、学会発表(第57回日本作業療法学会)や論文投稿(千葉県作業療法士会 学術誌)、および報告書を通じて、その成果の報告と研究の周知を行う予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
2022年度の研究課題として、立案した研修プログラム案を用い、研修プログラムの施行及び効果検証を進めるとともに、本研究の目的である精神障害者向けグループホーム職員の感情知性を育む研修プログラムの開発を完了し、学会発表(第57回日本作業療法学会)や論文投稿(千葉県作業療法士会 学術誌)、および報告書を通じて、その成果の報告と研究の周知を行う予定であり、これらに関して、旅費や謝金等が発生するため。
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