研究課題/領域番号 |
18K02151
|
研究機関 | 首都大学東京 |
研究代表者 |
石橋 裕 首都大学東京, 人間健康科学研究科, 准教授 (50458585)
|
研究分担者 |
小林 法一 首都大学東京, 人間健康科学研究科, 教授 (30333652)
小林 隆司 首都大学東京, 人間健康科学研究科, 教授 (70337989)
石橋 仁美 東京工科大学, 医療保健学部, 講師 (30583900)
|
研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2023-03-31
|
キーワード | 介護予防 / 作業療法 / 作業遂行能力 / 健康増進プログラム / 短期集中サービス / 通所型サービス |
研究実績の概要 |
本研究の目的は、虚弱高齢者の作業遂行能力改善に特化した施設型集団プログラムの開発を開発することである。初年度は、モニタリング学習を通じて作業遂行能力ならびに健康関連QOLに対して効果があるのか、地域で多く実施されている運動プログラムと比較を行った。その結果、運動プログラムに対する有意性は認められなかったが、モニタリング学習による効果を継続して検証する必要性が確認できた。2年目である2019年度は、地域で生活する高齢者を対象にタブレットを用いて健康リテラシーを高めることが、作業遂行能力ならびに健康関連QOLに影響するのか、群内前後比較研究で検証した。対象は東京都A区に在住する65歳以上の高齢者34名であり,講義と演習からなる全8回のプログラムを実施した.結果,ICT機器使用に関する質問項目の全て,WHO-QOL26における心理的領域,環境領域,FAI,JST下位カテゴリーの新機器利用,生活マネジメント,OSAの意志と遂行に関する作業有能性で有意差が認められた.本研究により,健康高齢者に対する介護予防プログラムとしてタブレットを用いた介入は,ICT機器使用に関する主観的評価が向上するだけでなく,主観的幸福感や生活機能にも肯定的な効果がある可能性が示された。なお、これらの研究は論文投稿中である。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
現在は各プログラムの検証を行っている段階であり、プログラムの修正加筆を行いながら進めている。2年間で異なる2つのプログラムを検証できたことはおおむね順調と評価できる。
|
今後の研究の推進方策 |
当初、2020年度の予定では、異なる専門職がタブレットプログラムをマニュアルに基づき実施した場合、専門職間で劣性がみられるのかを検証する予定であった。しかし、今般の新型コロナウイルスの影響により、プログラム開発ならびにその検証は大幅に遅れることがすでに予測される。 一方、これまでの2年間の研究を通じて、プログラムのための適格性を判断する質問紙が必要ではないかと思われるようになったため、今年度はその質問紙開発に着手する予定である。質問紙開発とプログラム開発を並行して実施し、地域でより効果的な運用が行えるよう目指す。
|
次年度使用額が生じた理由 |
2019年度は、プログラムに関わる作業療法士の数を見直したため、その分人件費が当初の計画よりも支出が少なくなった。一方、プログラム運営に関わる備品の購入が当初予算よりも支出が上回ったが、2020年度以降も利用可能な状態にある。今回の繰越し金に関しては、2020年度以降のプログラム開発のために使用する予定である。
|