研究課題/領域番号 |
18K02152
|
研究機関 | 神奈川県立保健福祉大学 |
研究代表者 |
吉中 季子 神奈川県立保健福祉大学, 保健福祉学部, 准教授 (70434800)
|
研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
|
キーワード | シングルマザー / 公的年金 / 第3号被保険者 |
研究実績の概要 |
2019年度は、母子世帯の母親に対し、アンケート調査とインタビュー調査を実施した。 アンケート調査では(N=269)、母子世帯の生活実態調査として、シングルマザーになる以前の配偶者との生活時点と、シングルマザーになった直後、調査時点における三時点での社会保障の公的年金の加入歴と働き方を尋ねた。とくに、結婚生活中に第3号被保険者だった人は、ひとり親になった「直後」に、62人63.3%が国民年金、33人33.7%が厚生年金、3人3.1%が生活保護に移行している。そのうち「直後」に国民年金だった62人の「現在」は、28人が国民年金、33人が厚生年金、1人が生活保護受給となっていた。さらに「現在」国民年金第1号被保険者のうち6割が全額免除であった。 インタビュー調査では、働き方の変化とともに生活歴、結婚生活、公的年金の加入歴を尋ねた。制度開始10年以上経過する年金分割もそれほど浸透していないこと、一見、年金加入とは無関係と思われがちなDVの行為は、背後で妻の就労を抑制している事例があった。さらには、子育て中のシングルマザーにとって、老後のことである公的年金は、免除手続きさえすれば十分という認識が強く、それほど重要視されていない様子がインタビューからうかがえた。 アンケート・インタビューから、第3号被保険者だった人は、婚姻中は家族モデルのなかで社会保障は依存的に「安定」していたようにみえても、離婚やシングルになったとたんに、不安定な状況に置かれてしまうことが確認できた。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
コロナ感染の影響により、インタビュー件数が少なく終わったため、次年度は可能な限りインタビューを進めたい。
|
今後の研究の推進方策 |
2020年度は、最終年度であるため2019年度に実施したアンケートの分析をさらにすすめること、インタビュー調査を進めることに注力したい。さらに、女性の年金を中心とした制度的な整理をまとめたい。
|
次年度使用額が生じた理由 |
主に、インタビューのための経費、参考図書の購入として使用する。
|