研究課題/領域番号 |
18K02166
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研究機関 | 東海大学 |
研究代表者 |
渡邊 祐紀 東海大学, 健康科学部, 講師 (10461807)
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研究分担者 |
大島 千帆 埼玉県立大学, 保健医療福祉学部, 准教授 (40460282)
天野 由以 目白大学, 人間学部, 専任講師 (20364862)
田口 潤 東洋大学, ライフデザイン学部, 助教 (40460290)
安 瓊伊 静岡県立大学短期大学部, 短期大学部, 助教 (00752164)
鄭 春姫 浦和大学短期大学部, 介護福祉科, 講師 (70749449)
岸野 靖子 日本社会事業大学, 通信教育科, 講師 (60386290)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 介護福祉士 / 小規模多機能型居宅介護 / 技術 / 専門性 / 生活の構成要素 |
研究実績の概要 |
本研究は、高齢者の地域居住に際し、大きな役割を担う小規模多機能型居宅介護(以下、小規模多機能とする)に勤務する介護福祉士が、地域居住の高齢者の「生活の要素」をいかにとらえ、どのような「技術」で支えているのかを明らかにすることで、地域居住の高齢者を支える介護福祉士の専門性の定義を目指すものである。H30年度は、筆者らがこれまでに明らかにした特別養護老人ホームに勤務する介護福祉士がとらえた利用者の「生活の要素」を参考に、小規模多機能に勤務する介護福祉士が、地域居住の高齢者の生活の構成要素をどのようにとらえているのかを質的に明らかにすることを目的とした。 2018年4月から8月までに、研究チームによる会議を5回行い、小規模多機能に関する先行研究のレビューを経て、介護福祉士らにどのような質問項目にて尋ねれば生活の構成要素を明らかにできるのかを検討した。 9月から10月にかけて、小規模多機能型居宅介護施設にて勤務する介護福祉士に、①チームで検討した質問項目にて、対象者が生活の構成要素を述べることが可能かの確認、②小規模多機能の現状を把握する目的で、5か所の小規模多機能を見学し、A県の小規模多機能型居宅の事業者団体の代表らとの検討会を持った。 10月の会議にて面接の質問項目を最終決定し、11月に研究の倫理申請を行い、12月に研究実施の許可を得た。1月の会議にて面接の日程調整と役割分担を決定し、2/5に第1回フォーカスグループインタビューを実施した。2月中旬に第1回面接後の結果を振り返り、面接の進め方などをチーム内で再確認し、3/7に2回面接を実施した。フォーカスグループインタビューは計3回、13名の対象者の協力を得て行われた。面接内容は文字起こしを行い、質的に分析を行う予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
小規模多機能型居宅に関する文献レビューの結果、事業形態の特殊性を解説するものが多く、介護の質や介護職員の能力に関するものはほぼ存在せず、小規模多機能型居宅介護におけるケアや介護福祉士の専門性に関する検討は未着手の状態であることがわかった。研究チームとして小規模多機能型居宅介護における実践をより詳細に理解する必要があること、研究の目的を達成するために、どのように面接を行うべきかなどを慎重に検討する必要があることがわかり、当初の予定には含まれていなかった施設見学や質問項目の妥当性を検討するための時間を要した。しかし、年度内に予定していた介護福祉士へのフォーカスグループインタビューは、対象者らの協力を得て、計三回実施することができた。
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今後の研究の推進方策 |
2019年度は、年度前半までに介護福祉士へのフォーカスグループインタビューの結果を質的に分析し、小規模多機能型居宅介護に勤める介護福祉士が地域居住の高齢者の生活をどのようにとらえているのか(生活の構成要素)を明らかにする。年度後半には、特別養護老人ホームでの調査から得られた「生活の構成要素」と合わせ、地域居住の高齢者の「生活の構成要素」を作成し、項目の妥当性を検討するため、全国の小規模多機能型居宅介護事業所を対象に質問紙調査を行う予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
フォーカスグループインタビューの実施時期が、2019年2,3月であったことから、対象者への謝金の支払い、面接を録音した内容の文字起こしの依頼および代金の請求が4月以降となったためである。いずれも5月までに支払いを完了する予定である。 2019年度は、小規模多機能型居宅介護事業所を対象に質問紙調査を予定しており、調査票や封筒の印刷、発送と返送の郵送費、回収できた調査票のデータ入力および分析のために、助成金を使用する計画である。
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