研究課題/領域番号 |
18K02169
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研究機関 | 日本女子大学 |
研究代表者 |
増田 幸弘 日本女子大学, 人間社会学部, 教授 (40264171)
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研究分担者 |
圷 洋一 日本女子大学, 人間社会学部, 教授 (50331054)
黒岩 亮子 日本女子大学, 人間社会学部, 准教授 (60350188)
村岡 真知子 (神尾真知子) 日本大学, 法学部, 教授 (80219881)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | エイジフレンドリーシティ / 福祉政策 / 地域福祉 |
研究実績の概要 |
研究2年目となる令和元年度も、基本的に当初の研究計画に従って研究を進めた。研究組織のメンバーで行う研究会を4回実施した。これに加えて、メンバー相互間の対面や電子メール等による情報共有や意見交換を継続的に行った。研究会では、昨年度に引き続き、エイジフレンドリーシティ(以下「AFCC」と略)に関する先行研究の状況の確認、各自が収集した国内外のAFCCに関する情報の共有と分析、AFCCと福祉理論の関係の検討等を行った。 また、令和元年9月にメンバー4名でフランスに渡航し、現地の市・区・中央官庁・各種団体におけるAFCCの担当者(リヨン市とディジョン市は副市長と担当者、パリ市は副市長の官房長、パリ第3区は第1副区長、連帯保健省はヨーロッパ・国際問題局長、各団体は代表者と担当者)及び研究者に面会して聞き取りと情報交換を行った。訪問先は次の通りである。パリ市、パリ第3区、リヨン市、ディジョン市、連帯保健省、エイジフレンドリーシティ・フランス語圏ネットワーク、CFDT-retraites(フランス労働組合退職者団体)、エイジフレンドリーシティ政策研究者であるPIERRE-MARIE CHAPON氏。 令和元年度は、論文および学会・(外部の)研究会での発表等によって情報発信を行った。論文等については、4名の共著でAFCCの概要・特徴・分析の視点に関する論文を執筆した。黒岩は、高齢者施設と要介護高齢者の住居に関する論文を執筆した。また、圷は、研究会で議論された福祉理論に関する論稿を執筆し、NHKラジオ講座テキストに寄稿した。 学会発表等については、黒岩が日本社会福祉学会において、地域の交流・地域活動に関する発表を行った。増田は、外部の研究会において、AFCCの概要とフランスの状況に関する発表を行った。また、黒岩は、千葉県介護人材キャリアアップ研修支援事業の研修において、要介護期の住居に関する講演を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究実績に鑑みると、現在までのところ、概ね当初の研究計画に従って進展しているものと考えられる。なお、研究の進展状況を踏まえて当初の計画を修正し、今年度の現地調査の訪問先をフランスに変更した。
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今後の研究の推進方策 |
研究の最終年度となる令和2年度も、基本的に当初の研究計画に従って作業を行い、本研究のゴールに向けて研究を推進していく方針である。また、学術論文・図書・各種記事の執筆や、学会・研究会等での発表により、本研究に関する情報発信を行うものとする。 なお、世界規模での新型コロナウイルスの流行という予測できなかった事態が生じたことから、計画を変更せざるを得なくなった。当初の計画では、令和2年度も現地調査を行う予定であった。また、海外からAFCCの関係者を招いて国際研究集会を行うことも計画していた。しかし、新型コロナウイルスの流行がいつ収束するかについての見通しが立たない状況にある。そのため、研究組織のメンバーで話し合った結果、海外調査および国際研究集会の実施は、いずれも取りやめることとした。また、国内調査についても、流行の状況を見極めつつ慎重に判断することとした。
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次年度使用額が生じた理由 |
海外調査の旅費が予定より下回ったことから次年度使用額が生じた。この金員は、次年度の図書資料・物品等の購入費に充てるものとする。
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備考 |
圷洋一「自己責任の時代の社会福祉」『NHK社会福祉セミナー2020年4~9月』、NHK出版、6-21頁。黒岩亮子「『終の住処』を考える」千葉県介護人材キャリアアップ研修支援事業・まほろばセミナー・人生100年時代の心の健康作り、2019年11月13日。増田幸弘「WHOのAge-friendly Cities and Communities」2019年第2回福祉社会研究会、2019年12月28日。
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