研究課題/領域番号 |
18K02172
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研究機関 | 聖隷クリストファー大学 |
研究代表者 |
横尾 惠美子 聖隷クリストファー大学, 社会福祉学部, 教授 (10369473)
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研究分担者 |
中村 京子 九州大谷短期大学, その他部局等, 教授 (00597099)
小平 めぐみ 国際医療福祉大学, 医療福祉学研究科, 准教授 (00611691)
安徳 弥生 西九州大学, 健康福祉学部, 准教授 (20280258)
野田 由佳里 聖隷クリストファー大学, 社会福祉学部, 教授 (20516512)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | 離職 / 介護職 / 職場環境 |
研究実績の概要 |
介護老人福祉施設の介護職員の人材確保・定着のための職場環境要素を抽出するために、介護職員の職場環境と離職意向との関連性を探求することを、研究の目的とし、アンケート調査を行った。各都道府県の介護サービス情報公開システムに掲載されている介護老人福祉施設から1200施設を無作為抽出し、対象施設の介護職員5名を調査対象者とした。調査期間は2018年1月~6月。研究に当たり、研究者所属の大学の承認を受けている(認証番号17084)。有効回答数は1189で、有効回答率は19.8%であった。 調査結果分析により、「仕事内容のわりに給与が安い」や「介護職が不足している」、は直接的に離職意向と相関はなく、「介護方法の不安」や「業務内容や職場環境の劣悪さ」、「上司の資質」等が離職誘因として働いている。働きやすい職場を構築するには、介護方法の向上のための研修会の実施や管理職の質の向上が求められることが判明した。 研究の成果は「地域ケアリング」の12臨時増刊号に「介護福祉経営の安定化に向けての組織造 自立支援介護の実施状況と成功のための取り組み(P.87-95)」1月号に「介護職員の離職の誘因に関する考察-強い誇りと情熱を持っている職員ほど離職意向が高い(P.34-40)を寄稿した。2019年5月に開催された「日本生活支援学会大会(開催地:福岡)にて「働き続けることのできる職場構築のための研究~介護老人福祉施設の介護職員の調査をもとに~」について発表を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
2018年度の研究計画は①介護施設を対象に全国郵送調査を行い「自立支援介護の実施」「仕事のやりがい他職場属性」「経営の安定性とそのために実施していること」等の分析、②「働きやすい職場」や「経営が安定する(報酬加算獲得を積極的に取り入れている等)」ための促進要因・阻害要因を抽出する、であったがそのどちらも実施できた。その成果についても論文3本、学会発表1回の実施が出来た。
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今後の研究の推進方策 |
2018年度の研究成果を踏まえ、離職率が低く自立支援介護をすでに実施し、運営利益を向上させている施設から「仕事の達成感が高い」「ケアの質が高い」「経営が安定する」職場の誘因を抽出するために、施設長と介護職員を対象にインタビュー調査を実施する。その分析結果をもとに経営の安定と介護の質の向上、達成感の向上のため自己評価ツールとして管理職や介護職の「自己評価シート」案を作成する。
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次年度使用額が生じた理由 |
これまで使用していたノートパソコンが壊れてしまい、研究出張先で使用したり、研究結果等の入力のためにノートパソコンが必要になり、当初購入予定のなかったノートパソコンの購入をした。又、研究成果を雑誌に寄稿したが論文掲載料が発生し支出が増加したため、前倒し請求を行った。しかし、前倒し支払い請求時に予定していた、インタビュー調査のための研究出張を取りやめたために残金が生じた。2019年度には、昨年度やり残しているインタビュー調査のための研究出張に使用する予定である。
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