研究課題/領域番号 |
18K02172
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研究機関 | 聖隷クリストファー大学 |
研究代表者 |
横尾 惠美子 聖隷クリストファー大学, 社会福祉学部, 教授 (10369473)
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研究分担者 |
中村 京子 九州大谷短期大学, その他部局等, 教授 (00597099)
小平 めぐみ 国際医療福祉大学, 医療福祉学研究科, 准教授 (00611691)
安徳 弥生 西九州大学, 健康福祉学部, 准教授 (20280258)
野田 由佳里 聖隷クリストファー大学, 社会福祉学部, 教授 (20516512)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 自立支援介護 / 介護職 / 福祉経営 / 離職率 / 管理者 / 管理職 |
研究実績の概要 |
本研究の目的である研究1の「自立支援介護導入における阻害要因と促進要因、職場満足度等」の調査研究と、研究2の「離職率が低く、自立支援介護を実施し運営利益を向上させている施設からの職場満足度と経営安定の誘因を抽出する」、という目的は達成できている。2020年度はインタビュー調査により、経営の安定と介護の質の向上、達成感の向上のため自己評価ツールとして管理職や介護職の「自己評価シート」案を作成する予定であったが、コロナ禍でインタビュー調査が実施できなかった。また、介護人材の不足が研究着手時に比べさらに悪化し、介護現場をさらに過酷なものにしているという課題が浮上してきた。国は介護領域の、ICTの活用と多様な人材活用をすすめている。その中でも介護人材の絶対的不足に陥っている現場において、外国人介護職員の活用は最重要課題であり、外国人介護職員の雇用はこれから、否が応でも必要になってくる。 そのために、これから避けては通れない外国人介護職員の導入を効率的に実施できるように、これまでの研究で得た、経営安定や職場満足度向上の誘因を活用しつつ、職場環境改善の取り組みに現状を調査し、外国人雇用の実態把握と外国人介護職員の雇用後の支援等の課題を解析することにした。浜松市にある2法人(離職率が低く、経営も安定している法人)の管理者、管理職、介護職員を対象に職場満足度調査と外国人介護職員の導入の課題等についてアンケート調査を実施した。また、全国の介護福祉施設を対象に無作為に抽出した1739施設に、往復葉書で研究の協力の可否を調査し、研究協力を得ることのできた施設に対し、アンケート調査を実施した。研究対象者は施設の管理者、管理職、介護職である。現在調査を回収し、解析中である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
コロナ禍において施設では利用者の家族等の面会も許可していない現状がある。そのため外部の者の訪問は極力避けてほしいとの意向があり、施設に出向いてのインタビュー調査ができにくい環境にある。ZOOMでのインタビューも検討したが、感染症対策をはじめとするコロナ禍における利用者の生活支援の在り方が大きく変化しており、その対応等に追われ、平常時以上に忙しい現場となっているために、研究協力を依頼しにくい状況である。 また国の政策が外国人介護職員の活用に大きく舵を切っている中において、外国人介護人材の現状と日本人介護職員との協働のための課題を明確にすることが必要だと感じている。自立支援の介護は2021年度よりデータベース連携による科学的介護の推進として、CHASEの各領域に関するデータ提供とフィードバックの活用等を評価した「科学的介護推進体制加算」の創設と、多様な自立支援・重度化防止のための加算で、LIFEへのデータ艇庫湯屋フィードバック活用を要件とした進化さん・新区分を設置している。自立支援介護がICTと活用し連結し、質の向上を図る新たな加算を創設し、大きく動いていくことになる。このことについては次年度の科研申請の課題としていきたいと考えている。
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今後の研究の推進方策 |
2020年度に実施したアンケート調査を解析することにより、①離職率の施設間比較とその要因を抽出する。②外国人介護人材の活用についての、管理者と管理職、介護職それぞれの考え方とその相違点の解明③離職率や介護人材の不足感による外国人介護人材の活用の考え方の相違点の解明等を明らかにする。 コロナ感染症の状況により、可能であれば外国人介護人材の活用や福祉経営の方針についてインタビューを実施したいと考えている。
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次年度使用額が生じた理由 |
2020年度はインタビュー調査が実施できなかった。そのために旅費やインタビューのテープおこしのアルバイト料等が発生しなかった。2021年度は2020年度に実施したアンケート調査の入力委託料と調査結果報告の印刷物(パンフレット)の作成費と、調査報告書の送付代が必要になる。
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