研究課題/領域番号 |
18K02185
|
研究機関 | 宮城教育大学 |
研究代表者 |
菅原 正則 宮城教育大学, 教育学部, 教授 (60300513)
|
研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2023-03-31
|
キーワード | エネルギー教育 / 模型実験 / 換気 / CFD解析 / 環境調整行動 |
研究実績の概要 |
本年度は、スマートハウスの理解を深めるための中学校家庭科における授業提案と、その有効性の検討、そして授業の手引書作成を行った。これまで、スマートハウスの仕組みを簡易で安価な電子回路類で構成した建物模型教材である「スマハキット」を開発してきたが、これをさらに発展させてタブレットのみでも実験できるソフトウェアを制作した。そして、《指導過程1》学習課題『スマートハウスを理解し,環境に配慮した住生活を考えよう』の提示、《指導過程2》資源や再生可能エネルギーを活用した様々な住まい方の理解、《指導過程3》スマートハウスの理解、《指導過程4》スマートハウス模型を用いての実験①(教師による実演)、《指導過程5》次回の実験の説明、《指導過程6》スマートハウス模型の実験②(教師による実演)およびタブレットによる実験(班ごと)、《指導過程7》「SDGs建築ガイド(開発目標7エネルギーをみんなに そしてクリーンに)」の感想記入、《指導過程8》授業の振り返り、からなる2時限(1時限50分)の授業で活用できるようにした。 また、仙台市内中学校を対象に、流体解析ソフトを用いて教室内の空気の流れや気温分布を可視化し効果的な換気方法の検討を行うことにより、生徒が健康・快適な教室環境づくりに役立てることのできる資料を提案した。季節、開口パターン、暖冷房や換気扇稼働の有無といった条件を組み合わせて比較した結果、自然換気では小さな開口部を多数設ければ効果的であると分かった。しかしこの方法による長時間の換気は外気の流入が多くなり、室温が快適範囲から外れる可能性があるため、換気扇を稼働させて二段階換気する方法が適切である。この資料により、対象中学校の生徒が窓開けや換気扇の効果を理解し、健康・快適な教室環境づくりに役立てられることを期待している。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
新型コロナウィルス感染症蔓延により、調査体制が予定通りに整わなかった。今年度は調査現場に介入しなくてもよい範囲の研究を進めた。
|
今後の研究の推進方策 |
学校教室における在室人数や活動内容の調査データに基づいて、室内環境への影響を分析する。コロナ禍終息の見込みが立たないので、住宅の代わりに学校教室における環境ライフスタイル評価を実施する。
|
次年度使用額が生じた理由 |
コロナ禍のために、調査計画の遂行および実験装置の調達が滞り、次年度へ繰り越した。次年度に装置を作成し、研究を完遂する予定である。
|