本年度は、環境ライフスタイル評価において重要な観点であるSDGsと、家庭生活とのつながりを意識づけるとともに、家庭実践に生かせる授業づくりを目的として、「持続可能な社会を生きる」と題した4時間構成の授業を開発した。また、その1時限目を小学校の公開研究会において授業を一般に公開し、検討した。 開発した授業の構成は、次の通りである。【1時限目:見つめる・気付く】SDGsに着目しながら、消費電力の実態を捉えるために、普段使用している家電製品の消費電力を測定する。家庭生活と身近な環境との関わりを考える。【2~3時限目:分かる・できる】自分の家庭生活を振り返り、SDGsに着目しながら、家庭生活での課題解決に向けた実践計画を立てる。友達との意見交換に基づいて、多面的・多角的に課題の解決策を考え、実践計画を工夫する。【4時限目:生かす・深める】報告会を通して家庭実践を振り返る。その中で、SDGsと自分の家庭生活とのつながりを意識し、見通しを持つことにより、自分の家庭生活をよりよくしようと考える。 公開研究会の授業(1時限目)では、SDGsの目標7「エネルギーをみんなに そしてクリーンに」を確認した後、身近な家電製品12機種の消費電力を予想し、容量500Wのポータブルバッテリーで測定した値と比較した。予想値と測定値の記録にはGoogleスプレッドシートを用い、即時に共有できるようにした。 授業を実践した結果、家電製品の消費電力について多くの気づきが得られた。そして電力と同様に、生活に必要な水や食糧など家庭生活に関するものについても、必要以上に使用していないか見直すことへの意識付けが見られた。「知っているつもり」を揺さぶり、これからの行動の見直しにつながる、自分の家庭生活とSDGsとの関わりを理解する授業内容であったと考えている。
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