日本の蒸留酒製造技術の独自発展の起源を探るために中国「小曲米酒」と比較し,製造技術の共通点および独自発展の部分について調査した。本研究では,泡盛と米焼酎,小曲米酒について市販酒および研究室で製造した酒の分析を通して,泡盛および米焼酎の特徴香気成分として1-octen-3-olが,小曲米酒において乳酸エチルが見出された。製造工程では,小曲米酒の固体糖化工程は日本の製麹と同様の役割を果たすことを明らかにし,小曲米酒の高い乳酸エチル量に固体糖化工程が貢献していることを示した。したがって,固体糖化および製麹は,両酒らしさの形成に寄与する重要な工程であることが明らかになった。
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