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2019 年度 実施状況報告書

ゴマの機能性成分の吸収率とそれに及ぼす調理加工の影響

研究課題

研究課題/領域番号 18K02199
研究機関名古屋女子大学短期大学部

研究代表者

阪野 朋子  名古屋女子大学短期大学部, その他部局等, 講師 (50632668)

研究分担者 池田 彩子  名古屋学芸大学, 管理栄養学部, 教授 (80308808)
研究期間 (年度) 2018-04-01 – 2021-03-31
キーワードゴマリグナン / セサミン / セサモリン
研究実績の概要

本研究は、ゴマに含まれる特有の機能性成分であるゴマリグナンの体内動態と調理加工による影響を調べることを目的とした。今年度は、動物実験により生体試料中のゴマリグナン測定条件の設定とゴマ長期摂取時の体内ゴマリグナン濃度について検討した。
実験1.生体試料中のゴマリグナン濃度の測定法の検討:ゴマを摂取させたラットの肝臓ホモジネートからゴマリグナンを含む脂質成分をBligh&Dyer法で抽出し、HPLC-蛍光検出法により測定した。添加回収試験の平均回収率は、セサミンは95.6%、セサモリンは94.9%であった。
実験2.ゴマ長期摂取時のラット体内ゴマリグナン濃度の測定:3週齢のWistar系雄性ラットを2群に分け、8週間飼育した。飼料には、ビタミンK(フィロキノン)を添加(0.75mg/kg)し、一方の飼料にはゴマを添加(200g/kg)した。血清および各組織を採取し、ゴマリグナン濃度を測定した。ゴマリグナンの機能性の評価として、フィロキノン濃度とαトコフェロール濃度を測定した。ゴマを摂取させたラットの肝臓では、セサミンが0.33nmol/g、セサモリンが1.96nmol/g検出された。ゴマ種子中には、セサミンの方が多く含まれるが、肝臓ではセサモリンが多く検出され、セサミンの方がセサモリンよりも代謝が早いことが推察された。血清および腎臓のフィロキノン濃度と肝臓中のαトコフェロール濃度は、ゴマ摂取により上昇した。
以上の結果から、ゴマを長期摂取した場合には、肝臓中にゴマリグナンが2nmol/g程度存在することが確認できた。ゴマリグナンが体内に取り込まれれば、体内のビタミンEとビタミンK濃度が上昇することを確認した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

平成30年度に研究を開始し、今年度までに生体試料とゴマ調理加工品のゴマリグナンを定量する条件を設定することができた。今年度は、ゴマリグナン定量用のHPLC装置のデータを管理するノートパソコンを新規購入した(令和元年8月納品)。また、ゴマリグナン抽出やHPLC分析の移動相調製に必要な振とう恒温機とpHメーターを新規購入した(令和元年12月納品)。
動物実験は、名古屋学芸大学の動物実験委員会による承認を得て実施した。上記「研究実績の概要」に記載した実験を行い、得られた成果を第73回日本栄養・食糧学会大会で発表した。
ゴマ長期摂取時には体内組織に分布することがわかってきたため、当初の計画を変更し、実験を進めている。引き続き、ゴマの長期摂取時のゴマリグナンの体内動態について検討する。

今後の研究の推進方策

上記「研究実績の概要」に記載したとおり、ゴマを長期摂取させた場合には、肝臓中にセサミンおよびセサモリンが取り込まれていた。今後も引き続き、ゴマ長期摂取時のゴマリグナンの体内分布を調べる予定である。また、今後は体内分布とゴマリグナンの機能性についての関係を明らかにする予定である。

次年度使用額が生じた理由

次年度使用額が生じた理由は、研究計画を変更したため、使用する予定であった実験動物や試薬などを購入しなかったことが挙げられる。しかし、次年度以降、すぐに実験を進められる状況にあるため、次年度分として請求した助成金と合わせて、遅れている実験と次年度予定する研究に必要な実験動物や物品等の購入に使用する予定である。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2019

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] ゴマ摂取時のラット体内ゴマリグナン濃度の上昇2019

    • 著者名/発表者名
      阪野朋子・鈴木規恵・池田彩子
    • 学会等名
      第73回日本栄養・食糧学会大会

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公開日: 2021-01-27  

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