研究課題/領域番号 |
18K02202
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研究機関 | 信州大学 |
研究代表者 |
柳瀬 亮太 信州大学, 学術研究院工学系, 准教授 (10345754)
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研究分担者 |
松田 昌洋 信州大学, 学術研究院工学系, 助教 (10528756)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 住宅外観 / 長期優良住宅 / 物理的要素 / 汚れ / 開口部 / 屋根形状 / 文化比較 / 印象評価実験 |
研究実績の概要 |
本研究の目的である「良質で継続性のある住宅」を実質化し、未来の住み手に対しても魅力的であり続けるために必要な空間構成要素を、以下の5つの調査と6つの実験-既存住宅の外観評価に影響する要素(1.劣化や汚れ、2.主に屋根形状と開口部の面積、3.外構および屋根形状と木質部の面積)に関わる3つの標本調査、それらの結果に基づいて戸建て住宅の外観を画像加工によって段階的に変化させた3つの実験室実験、実際の建物に劣化や汚れを再現して評価させた現場実験、日本とマレーシアの住宅(店舗も兼ねる)を対象とする実測調査と建物に関わる印象評価実験-を通して得られたデータを統計的に分析し、地域性や風土が建物の価値などに影響する要因について考察した。なお、取組み期間中に生じたCOVID-19感染拡大による活動自粛の影響を受け、期間を延長した。最終年度においては、日本の住宅を実験刺激とする印象評価実験をマレーシア人に対して実施し、同様の手続きをもって日本人から抽出されたデータと比較分析した。そこから、地域性や風土が建物の価値などに影響する要因などについて考察した。これまでの取組みにおける結果と同じように、建物の構成要素から地域と関係性の強い要素などを感じ取り、それらを比較的多く含む建物についてより高い価値を見出し残したいと評価する傾向が見られた。特に自国の建物における傾向が高かった。この比較分析の内容については、国際会議(IAPS2022)にて研究成果として発表した。また、調査や実験と並行して、重要伝統的建造物群保存地区、木造住宅密集地域、大規模住宅団地、日式住宅(台湾)などを巡検し、研究計画時に考えが至っていなかった要素を継続的に探求した。日本のみならず「良質で継続性のある住宅」を実質化が課題となっている地域は少なくない。今後は、海外研究者との連携した取組みを試みるとしたい。
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