研究課題/領域番号 |
18K02208
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研究機関 | 岡山県立大学 |
研究代表者 |
我如古 菜月 岡山県立大学, 保健福祉学部, 助教 (70508788)
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研究分担者 |
田淵 真愉美 岡山県立大学, 保健福祉学部, 准教授 (60389020)
伊東 秀之 岡山県立大学, 保健福祉学部, 教授 (70253002)
新田 陽子 岡山県立大学, 保健福祉学部, 准教授 (70403318)
加賀田 江里 中国短期大学, その他部局等, 講師(移行) (70523702)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 低価格米粉 / 粒度 / 損傷でんぷん率 |
研究実績の概要 |
粒度が異なる低価格米粉の損傷でんぷん率、水分含量、アミロース含量を測定した。品種はどちらもアケボノを用い、製粉後フィルターを通し、粒度の細かい米粉と粗い米粉に分別したものを用いた。 損傷でんぷん率は粒度が細かいものは13.3±0.5%、粗いものは5.7±0.2%と、粒度が細かいもののほうが3倍近く損傷でんぷん率が高い結果となったことから、本法による製粉方法では粒度の細かさと損傷でんぷん率の高さに相関があるものと推察された。水分含量についても、粒度が細かいものは19.5±0.1%、粗いものは23.3±0.1%と、粒度が粗い米粉のほうが水分をやや多く保持していた。アミロース含量はどちらも同じ米から作成しているためそれぞれ16.2±0.9%、16.7±1.0%と差はなかった。 これらの米粉の加工適性を検討するために、まずは2002年から2017年までの家計調査年報を調査し、菓子類の消費金額について調べた。その結果、ケーキ、アイスクリーム・シャーベット、チョコレート、せんべい等が支出金額が多い部類に属していた。このうち、米粉の応用が可能なケーキについてまずは検討することとした。調理本を参考にスポンジケーキの材料の分量や作り方を検討し、視覚的に最も膨らみの良かったレシピを完成させた。その後、先述の粒度の異なる米粉を用いて作成した。その結果、味わいの変化は感じられなかったが、粒度が細かい米粉よりも粗い米粉で作ったケーキのほうがよく膨らんだ。ただし、この影響が粒度によるものか損傷でんぷんによるものか、その両方なのかまでは断定できなかったので、今後は粒度が同等で損傷でんぷん率の違う米粉で検討する予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
育児休暇のため研究開始が後ろ倒しになったが、低価格米粉のある程度の性質(粒度、損傷でんぷん率、水分量)が把握できたこと、加工適性を検討するためのベースとなるレシピを完成することができたので、おおむね順調に進んでいると評価した。
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今後の研究の推進方策 |
1)様々な種類の米粉を作成しているところなので、出揃い次第、アミロース含量、損傷でんぷん率、粒度、水分含量の測定を行う。同時にそれらを用いてスポンジケーキを作成し、比容積の測定、破断強度の測定、官能評価等を行い加工適性を検討する。 2)スポンジケーキ以外にもアイスクリームやお好み焼き、カレー等に応用し、それぞれの適性を見極める。
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次年度使用額が生じた理由 |
研究代表者が育児休暇取得をしていたため、研究開始時期が後ろ倒しになったため。研究機関を一年延長し、現在、1年目に実施予定していた内容について次年度も行う予定である。
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