| 研究課題/領域番号 |
18K02208
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| 研究機関 | 福山大学 |
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研究代表者 |
我如古 菜月 福山大学, 生命工学部, 講師 (70508788)
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| 研究分担者 |
田淵 真愉美 岡山県立大学, 保健福祉学部, 准教授 (60389020)
伊東 秀之 岡山県立大学, 保健福祉学部, 教授 (70253002)
新田 陽子 岡山県立大学, 保健福祉学部, 准教授 (70403318) [辞退]
加賀田 江里 中国短期大学, その他部局等, 准教授(移行) (70523702)
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| 研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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| キーワード | 米粉 / 加工適性 / 損傷デンプン率 / アミロース含量 |
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| 研究実績の概要 |
本年度は、アミロース含量の異なる３つの米を用いて低価格米粉を作成し、どのような特徴を保持するか検討を行った。合わせて、スポンジケーキおよび米粉麺を作製し加工適性に違いがあるか検証した。試料として「ミルキークイーン」、「あけぼの」、「夢十色」の米を製粉し、粒度を3段階にふるい分けたものを用いた（以下、粒度が大きい順に粗、中、細と表記する）。測定項目は水分含有率、損傷デンプン率、アミロース/アミロペクチン含有率、吸水率の計4 項目とした。加工適性の検討として、各米粉を用いてスポンジケーキを作製し、テクスチャーや破断応力についてクリープメーターを用いて測定した。
水分含有率については、いずれの試料も12%前後で推移しており、試料間で差は見られなかった。アミロース含量はミルキークイーンが14%程度、あけぼのが20%程度、夢十色が23%程度であった。損傷デンプン率はアミロース含量が低くなるにつれて損傷デンプン率が高くなる傾向が見られたが、粒度が粗、中の米粉については、品種間による有意な差は見られなかった。しかし、粒度が細の米粉についてはミルキークイーンが夢十色よりも有意に高値であった。吸水率については、いずれの米粉も95%前後と高値であった。加工適性について、スポンジケーキでは夢十色とミルキークイーンの破断応力が同等の値であり、あけぼのがやや低値傾向にあった。凝集性は3品種ともほぼ同等であったが、ガム性は破断応力と同様に夢十色とミルキークイーンで同等の値となり、あけぼのがやや低値であった。以上の結果より、粒度が細かい米粉の場合、損傷でんぷん率に有意差が出たものの、多くの項目においてアミロース含量の違いによる差はあまり見られず、スポンジケーキにおける加工適性については、アミロース含量が中程度の米粉で作成するとやや柔らかめのケーキに仕上がる傾向にあることが示唆された。
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| 現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
新型コロナウイルス感染拡大による大学の休校や学生および教職員の登校・出校制限等により、予定していた実験がいくつか実施できないものがあった。また、学生パネルを集めて行う官能評価も実施することができなかったため、「やや遅れている」とした。
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| 今後の研究の推進方策 |
まずは、実施できなかった官能評価を中心に行う。損傷でんぷん率の違いおよびアミロース含量の違いによる加工品（スポンジケーキ、麺、アイスクリーム等）の官能評価を実施する。合わせて物性の測定を行い、官能評価で得られたデータと照らし合わせて加工適性について検証する。さらに、損傷デンプン率の違う米粉の糊化物を実験動物（マウス、ラット）に投与し血糖値の上昇への影響があるか検討する予定である。
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| 次年度使用額が生じた理由 |
当該年度内に実施予定していた研究（官能評価をはじめとする各種分析）が新型コロナウイルス感染拡大に伴う大学休校、研究室閉鎖および教職員・学生の出校制限などで実施することができなかったこと、そのために学会発表ができるデータを揃えることができなかったことが理由として挙げられる。そのため、研究期間を1年延長した。使用計画として、まずは実施できなかった研究を粛々と行うこととし、得られたデータを元に学会発表および論文発表へとつなげる。
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