研究課題/領域番号 |
18K02210
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研究機関 | 北海道科学大学 |
研究代表者 |
小島 洋一郎 北海道科学大学, 工学部, 教授 (50300504)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | センサシステム / 味覚 / 評価 |
研究実績の概要 |
■本研究の目的は、ヒトの感じる食品のおいしさを数値化することである。そのため、人の五感を模倣したセンサシステムの構築や、これらのシステムから得られる多様で大量の計測データにAI・多変量解析などを活用して処理・解析することにより評価基準を策定する必要がある。人は外界からの刺激を感受して神経系に伝える、視覚器官・聴覚器官・嗅覚(きゅうかく)器官・味覚器官・皮膚などを通して、周囲からの情報を認識している。これら五感の中でも、視覚情報の割合は80%とも言われている。本システム開発においても非破壊・非接触によるロボットビジョン検査を進める上でその重要度は非常に高く、アルゴリズムへ反映させるよう設計している。
■一方、センシングシステムの開発にあたって、海外における近年の研究を改めてリサーチすると、実用化へのスケジュールは相当早められていることが分かった。食材となる農水畜産物や加工調理した料理の味を客観的に可視化する「味覚AI」の研究開発が報告されるようになった。例えば、中国において味覚AIを搭載したロボット開発プロジェクトが立ち上げられ、食品関連企業の生産性向上へ寄与し始めているとの事例が発表されている。
■本研究の初年度は、日本国内で収穫される食品原材料から最終加工物へいたるフードチェーンにおいて、商品の味や色などが基準通り維持されているかをチェックする役割を果たす味覚用ロボットビジョンに向け、簡易で安価なRGB・色画像データによるセンサネットワーク構築の基礎的なデータ取得を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
海外において、本研究の方向性と似た報告事例があげられるようになっており、新たな課題が発生したことへの対応に予想以上の時間を費やすことになったため、進捗状況に若干の遅れが生じている。
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今後の研究の推進方策 |
海外における研究との相違点を見極め、本研究にしかない新規性をより伸ばすよう研究を継続する。例えば、味覚IoTデータとVR・ARなどといった技術の融合が重要であるため、これらとAIによる評価手法の開発を目指す。
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次年度使用額が生じた理由 |
研究の最適化を検討しており、次年度使用額が生じた。
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