研究課題/領域番号 |
18K02211
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研究機関 | つくば国際大学 |
研究代表者 |
奥野 海良人 つくば国際大学, 医療保健学部, 講師(移行) (50623980)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | IDO / TDO / トリプトファン / キヌレニン / 免疫 / 神経疾患 |
研究実績の概要 |
初発酵素indoleamine 2,3-dioxygenase(IDO)で開始されるtryptophan(Trp)-kynurenine(KYN)代謝経路は神経活動や免疫システムにおいて重要な機能を担っており、この代謝異常がADを含む認知症やうつなどの精神・神経疾患に関与していることが次第に明らかにされつつある。しかし、多くの臓器の中でも比較的高発現している腸管のIDOは、腸管免疫システムに深く関与していることが想定されつつも、未開拓の領域として残されてきた。申請者らはこれまでにマウスにおけるTrp投与によって腸管IDOが誘導され、脳内QAが増加することが明らかにしてきた。しかしながらこのIDO誘導メカニズムに関しては未だに不明で ある。そのため本研究ではこのメカニズムの解明を目的とする。 腸管IDOの誘導にはIDOの遺伝子、IDOの酵素タンパク質の誘導、もしくはIDO酵素の活性化、またはこれらの組み合わせによって起きていると考えられる。これまでウェスタンブロッティング法によるIDOタンパクの誘導は明らかになっているが、遺伝子および酵素活性については調べられていない。そこで、本年度はIDO遺伝子のRT-PCRによる検出条件の確立と、腸管IDO活性の測定方法を確立を目指した。正確なIDO酵素活性の測定のためにはtryptophan 2,3-dioxygenase(TDO)のようなアイソザイムの活性を排除する必要がある。そのため、抗体を用いたアイソザイムの除去を試みた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
indoleamine 2,3-dioxygenase(IDO)にはtryptophan 2,3-dioxygenase(TDO)のように、いくつかの酵素がアイソザイムとして知られている。本研究において他の酵素が活性化されている可能性もあり、酵素活性の測り分けは重要な課題である。しかしながらこれらの酵素活性の測り分けに苦慮したため研究進捗は少し遅れている。
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今後の研究の推進方策 |
今後、まずはIDOについての評価系を確立する。その後マウスにTrp添加食を給与して腸管IDOを誘導する。それに加えて種々のIDO誘導因子を阻害し、IDOについて遺伝子、タンパク、酵素活性について多面的に評価していく予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
研究進捗が若干遅れていることにより、使用額に差が生じた。今後研究が加速することにより消耗品等の使用により研究費の使用も増えるため、次年度使用額はそこに充てる予定である。
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