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2022 年度 実績報告書

一勤労者世帯の生涯家計と生活史ー高度成長期以降50年間の家計記録からー

研究課題

研究課題/領域番号 18K02216
研究機関宇都宮短期大学

研究代表者

中川 英子  宇都宮短期大学, 人間福祉学科, 名誉教授 (70352573)

研究分担者 重川 純子  埼玉大学, 教育学部, 教授 (80302503)
研究期間 (年度) 2018-04-01 – 2023-03-31
キーワード長期家計簿 / 家計 / 生活設計 / 高度経済成長期 / 資産
研究実績の概要

超高齢化社会を迎えた日本では、公的年金や退職金だけで生活することは難しいとして、老後の経済的不安に備えることが推奨されている。本研究では、長期に記帳された家計簿を分析対象として、退職後の安定した経済生活につながる要因を明らかにするため、家族創設から高齢期までの52年間の家計実態について明らかにしてきた。
本年度は、老後の安定的な経済生活への鍵を海外の研究結果を含め改めて整理し、本研究の成果を位置づけた。
先行研究では、老後の安定的な経済生活の実現が①働き方の観点からは、ライフステージに応じた働き方をすること、専業主婦が遅い年齢で働き始めたこと、家計管理の観点からは、老後の収支計画と管理方針を実行すること、家計管理がうまくいくことが重要なこと、家計管理のための金融リテラシーが、老後の資産形成行家計動を促進すること、家計管理の成功に結びつくこと、③貯蓄の観点からは、個人の「資産寿命」を延ばすために、早期から老後の資金を積み立てること、「毎月」少しずつでも貯蓄・積立をおこなうことなどが明らかにされていた。
一事例ではあるが同一対象家計を50年を超えて追跡した本研究の希少性は高く、本研究からは、老後の安定的な経済生活を可能にした要因が、①一貫した家計運営者の存在、②家計簿記帳の継続、③人的投資による収入増、④赤字を回避するための家計管理法、⑤家計運営の原動力が家計運営者の夢の実現であったこと、⑥定年退職後(世帯主)に購入した資産からの収益、⑦社会経済的背景が事例家計の経済生活に幸いして、勤労者世帯の平均収入より高めの収入を維持できたことなどにあったことが明らかになった。
本研究から得られた成果は、家計の持続性を可能にし、安定した老後生活の実現に資するものと考えられた。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2023 2022

すべて 学会発表 (2件) (うち国際学会 1件)

  • [学会発表] 長期家計簿からみた生活史と生活設計(第4報)-高齢期への移行期と高齢期の家計の実態-2023

    • 著者名/発表者名
      中川 英子 / 重川 純子
    • 学会等名
      日本家政学会第75回大会
  • [学会発表] Strategy and belief for successful family budget management:A case study of over 50 years of family account books2022

    • 著者名/発表者名
      Hideko Nakagawa / Junko Shigekawa
    • 学会等名
      International Federation for Home Economics(IFHE)-XXIV World Congress 2022
    • 国際学会

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公開日: 2023-12-25  

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