研究課題/領域番号 |
18K02228
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研究機関 | 東京家政大学 |
研究代表者 |
小林 理恵 (粟津原) 東京家政大学, 家政学部, 准教授 (00342014)
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研究分担者 |
原田 萌香 東京家政大学, 家政学部, 期限付助教 (20808018)
笠岡 宜代 (坪山宜代) 国立研究開発法人医薬基盤・健康・栄養研究所, 国立健康・栄養研究所 国際栄養情報センター, 室長 (70321891)
友竹 浩之 飯田女子短期大学, 家政学科, 教授 (90300136)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 災害 / パッククッキング / アレルゲン / 蒸発残留物測定 |
研究実績の概要 |
3年計画の2年目である令和元年度は食物アレルギー患者の災害食支援に「パッククッキング法」を活用するために,使用するポリ袋からの化学物質溶出の検証を主に行った。専門機関の研究員とのディスカッションを踏まえ,収集した複数のポリ袋について,蒸発残留物の測定を実施した。具体的には,各種ポリ袋検体について,以下の条件で浸漬溶出を行い,得られた溶液について重量法により蒸発残留物を測定した。 水、4V/V%酢酸及び 20V/V%エタノールによる浸漬溶出は,検体に表面積1cm2当たり2mLの溶媒を加え、還流冷却管を付け、沸点で60分間浸漬溶出し、得られた溶出液を試験溶液とした。n-ヘプタンによる浸漬溶出は,検体に表面積1cm2当たり2mLのあらかじめ60℃に加温した溶媒を加え、同温度に設定した恒温水槽内で90分間浸漬溶出し、得られた溶出液を試験溶媒とした。溶出溶媒はそれぞれ水、酢などの有機酸、アルコール、脂質を想定した。 本実験は食品衛生法で定められる条件よりも厳しい条件で行ったが、ポリ袋から化学物質は溶出されなかった。したがって、これらの溶媒よりも溶解性の低い水、酢や有機酸、アルコール、脂質が含まれる食材を用いてパッククッキングを行った際にも化学物質が溶出されることはないといえる。 さらに,昨年度実施したスクリーニングテストではアレルゲン混入は認められなかったが,小麦に関してはPCR試験,卵,牛乳に関してはウェスタンブロットによる試験を実施したところ,アレルゲン混入が無いことを確認できた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究において必要な分析が令和元年度中に終了し,小麦・乳・卵に限定した検証ではあるが,ELISA法,ウェスタンブロット法,PCR試験によりパッククッキングの安全性を示すエビデンスが得られた。また,使用するポリ袋からの酸化防止剤などを含む各種成分が蒸発残留物として検出されないという事から,加熱調理用ポリ袋を湯煎加熱使用することの安全性についても確認できた。
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今後の研究の推進方策 |
未曽有の社会状況において研究活動に様々な制約が出ているが,本年度は成果を国際誌に投稿する。その成果については,災害支援栄養チーム(JDA-DAT)の研修において解説し,一般にも広く流布されるように活用する。
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次年度使用額が生じた理由 |
昨年度中に得られた成果を国際誌に投稿する準備をしていたが,社会情勢の大きな変化なども要因となり,令和2年度に持ち越すこととなった。 本年度は,情報管理の安全性を確保するために,サポート期間が終了したデータ解析用のPC(windows 7)を新機種に入れかえをすると共に,国際誌へ投稿するための英文校閲費ならびにジャーナルによっては掲載にかかる費用に使用する。また,一部の成果については,社会情勢を勘案しつつ国内外の学会にて発表するために,本研究チームの旅費として使用する予定である。
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