肌の拭き取り用素材としてよく用いられる,タオル,ガーゼ,ウェットシートなどを収集した.乾燥状態と湿潤状態の試料について,負荷荷重を0.25N から0.49N に変化させた場合の摩擦力の増加率を算出した.その結果,ほとんどの試料において,乾燥状態よりも湿潤状態で増加率が低下した.触感フォースプレートにより摩擦力と押圧力から肌への刺激を検討した.その結果,乾燥状態よりも湿潤状態の清拭素材の方が,また素材の厚さが薄い素材の方が摩擦力,押圧力ともに小さくなることがわかった.したがって,薄地の素材を濡らして清拭を行うことで,肌への刺激を低減できると考えられる.
|