蒸し野菜の甘味に着目した嗜好特性と加熱温度の相違がアスコルビン酸(AA)量に及ぼす影響を検証した。キャベツとカブでは蒸し調理後の糖含量は非加熱と有意差がなかったが,官能評価では,蒸し調理試料の甘さの評点が非加熱よりも有意に高く,テクスチャーの変化が甘味に影響していることが示唆された。甘さと総合評価に正の相関があり,甘いと好ましいと評価されることが示された。 キャベツを100℃,70℃で蒸し調理してAA量を調べると,100℃よりも70℃の残存率が低くなった。電子レンジ加熱後に70℃蒸しを行うとAA量の減少が抑制され,AA酸化関連酵素が蒸しキャベツのAA残存率に影響している可能性が考えられた。
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