研究課題/領域番号 |
18K02246
|
研究機関 | 順天堂大学 |
研究代表者 |
山田 泰行 順天堂大学, スポーツ健康科学部, 准教授 (80531293)
|
研究分担者 |
水野 基樹 順天堂大学, スポーツ健康科学部, 先任准教授 (20360117)
榎原 毅 名古屋市立大学, 大学院医学研究科, 講師 (50405156)
柳川 洋一 順天堂大学, 医学部, 教授 (80531350)
|
研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
|
キーワード | 科学コミュニケーション / リスクコミュニケーション / 防災 / アプリケーション / インフォグラフィックス / 災害 |
研究実績の概要 |
平成30年度内に学内倫理審査の承認を得た上で、防災科学情報の収集と研究動向の把握を目的とするシステマティックレビューを実施した(研究1)。最初に行ったのは日本国内における科学コミュニケーション研究の動向と主要キーワードを抽出するためのシステマティックレビューである。本研究を通して以下の5点を明らかにした:①科学コミュニケーション研究のアクティビティは2007年をピークに停滞していること、②科学コミュニケーション研究の主流は事例研究であること、③主要テーマは「科学教育(科学、コミュ二ケーター、技術、能力、等)」、「高等教育(大学、教育、高等、等)、「初等・中等教育(学校、訪問、図書館、博物館、等)」、「研究開発(研究、開発、等)」、「コミュニティ形成(学習、支援、コミュニティ、社会、市民、等)」の5領域に大別できること、④科学、教育、災害の領域に貢献してきたこと。次に、災害科学情報(心理学系)のシステマティックレビューを行い、以下3点を明にした:①阪神淡路大震災と東日本大震災の直後に研究のアクティビティが高まっていること、②主要テーマは「災害支援」、「避難行動」、「メンタルケア」、「災害教育」、「復興支援」の5領域に大別できること。さらに、災害科学情報を共有することを目的とする科学コミュニケーションイベントの事例研究も行った。「どうしたら人は災害時に本気で非難するか?」についてアイデアを出し合いながら、人間工学の研究知見を共有するイベントを開催し(第1回エルゴノミクソン)、参加者のニーズと満足度を調査した。平成31年度以降に実施する質問票調査(研究2)とアプリ開発(研究3)のための地域協力体制の整備にも着手した。共同研究者と連携をはかりながら、伊豆市と名古屋市の地域住民に協力を要請するための準備を行った。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
平成30年度は倫理審査の承認、システマティックレビューの実施、科学コミュニケーションイベントの事例研究を展開することができたが、同年度に開始予定であった質問票調査(研究2)に着手することがでなかった。システマティックレビューの情報をもとに質問項目を作成し、研究者が伝えたい防災科学情報、地域住民が知りたい防災科学情報のマッチングをはかるための質問票調査に着手する必要がある。平成31年度前半に質問票調査を終えることができれば、研究計画に記載したスケジュールを順守できることから、「おおむね順調に進展している」と判断した。
|
今後の研究の推進方策 |
平成31年度の4月~8月中に平成30年度内に終えることのできなかった研究2の質問票調査を実施する。9月~12月は伊豆市と名古屋市の調査協力者(地域住民)と科学コミュニケーションのアプリ開発のための意見交換会を実施する。同時に、業務委託を行う企業を選定しながら、平成32年1月以降にアプリ開発に着手できるよ研究を進めていく。平成32年度はアプリのユーザビリティと科学コミュニケーションの効果測定を実施する(研究4)。
|
次年度使用額が生じた理由 |
質問票調査(研究2)の開始が平成31年度となったため、調査参加者謝礼とデータ入力者謝金の執行を次年度とした。平成31年度内に、伊豆市と名古屋市の地域住民との協働によるアプリ開発に伴う協力者謝礼、交通費、業務委託費等を執行し、研究を推進する予定である。次年度に使用する主な研究費の細目は次の通りである:①質問票調査ための謝礼およびデータ入力費、②アプリ開発のための意見交換会の参加者謝礼と交通費、③アプリ開発の業務委託費、④インフォグラフィックスなどの情報デザインを行うアプリケーションをはじめとする物品購入費、④研究成果発表のための学会参加費および旅費。
|