研究課題/領域番号 |
18K02246
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研究機関 | 順天堂大学 |
研究代表者 |
山田 泰行 順天堂大学, スポーツ健康科学部, 准教授 (80531293)
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研究分担者 |
水野 基樹 順天堂大学, スポーツ健康科学部, 教授 (20360117)
榎原 毅 名古屋市立大学, 医薬学総合研究院(医学), 准教授 (50405156)
柳川 洋一 順天堂大学, 医学部, 教授 (80531350)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 科学コミュニケーション / SNSコミュニケーション / インフォグラフィックス / 防災科学 |
研究実績の概要 |
2020年度は、防災の科学情報を地域住民と共有する科学コミュニケーションのコンテンツ開発(研究3)に重点的に取り組んだ。地域住民とオンラインミーティングを行い、コロナ禍でも実施できるオンラインコンテンツを開発した。研究成果のひとつは、防災科学の学術用語を楽しみながら習得できる防災パズルゲームである。このゲームでは、A市で発生した地震の情報が部分的に記載された情報カードを使用する。プレイヤー(4~6名)は互いの情報を伝えあいながら、架空の登場人物6名がどこの避難所に避難しているかを特定する。情報カードは防災科学の学術用語を含むため、プレイヤーはその意味を理解し、平易な表現でメンバーに伝えなければならない。この防災パズルゲームをオンラインで大学生に実施し、効果測定を行ったところ、科学リテラシーの向上を確認した。2019年度に考案したコンテンツの効果測定にも継続的に取り組んだ。防災科学の学術用語のスタンプ(SNSで使用するイラスト)をデザインし、SNSコミュニケーションで使用するインフォグラフィックスのプログラムを大学生に実施した。その結果、科学リテラシーの向上が介入効果として認められた。より信頼性と妥当性の高い防災科学リテラシーの測定評価を実現するため、Wu et al. (2019)が開発したScale for Science Edu-Communication Utilizing Awareness, Enjoyment, Interest, Opinion formation, and Understanding Dimensions (SEC-AEIOU)の日本語版を作成して使用した。さらに、科学コミュニケーション活動を展開するフィールドを開拓するため、日本人間工学会の科学コミュニケーションイベントとして「第1回 人間工学を社会に活かすためのサイエンスミーティング」を主催した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
2020年度は研究3と研究4を推進させることができたが、研究2の質問票調査についてはその必要性を再吟味し、調査の実施を保留とした。本来であれば最終年度であるにも関わらず、本研究が想定していたエンドポイントと論文の成果発表に至っていないことから、研究の進捗状況を「やや遅れている」と評価した。これに伴い、研究期間の延長を申請した。
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今後の研究の推進方策 |
令和3年度は研究2の質問票調査の必要性を再検討し、不要と判断した場合はコンテンツ開発とガイドライン開発にエフォートを集中させる。開発したコンテンツに対しては、科学コミュニケーションの効果測定を行い(研究4)、エビデンスを蓄積する。既に収集したデータは論文にまとめて年度内に成果発表を行う。
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次年度使用額が生じた理由 |
質問票調査(研究2)の実施に際しては業務委託費を執行する。科学コミュニケーションのコンテンツ開発と効果測定に注力するため、協力者への謝礼も執行する予定である。次年度に使用する主な研究費の細目は次の通りである:(1)質問票調査ための業務委託費、(2)コンテンツ開発の協力者謝礼、(3)コンテンツの効果測定の協力者謝礼、(4)情報デザインを行うアプリケーションをはじめとする物品購入費、(5)研究成果発表のための学会参加費および論文掲載料。
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