研究成果の概要 |
本研究課題の成果としては以下のものになる。 (1) 分子量の異なる, 15mmおよび3mm角のアガロースゲルを用いて食品咀嚼実験を行い, それらのパラメータと, 得られた食片分布の数学的特性, さらに当該分野で一般的に用いられているテクスチャープロファイル解析 (TPA) によって与えられたテクスチャー特性の関係を調べた. (2) 口腔内で作られた食塊が食道へ輸送される際の食塊物性を実験的に調べるため, 模擬的に食塊を作成し, それを落下させたときの凝集性について, レーザーを用いて測定を行った.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
ヒトの接触過程において, 食塊は, 歯によって破壊された食片群と口腔内で分泌される唾液等の凝集物であり, この形成ダイナミクスを理解し, さらに食塊そのものの物性を研究することは高齢者で多く見られる誤嚥性肺炎を防ぐという意味でもその理解を欠かすことができない。 本研究では食塊のテクスチャーを科学的な妥当性を持って評価しようとする試みであり, 実際の嚥下時の食塊の物理的状況を踏まえた研究である。
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