塩に対するうま味の添加は、塩味を強く感じさせ、少ない塩分量で満足させる効果があると言われている。また、食品の食感は、咀嚼に伴う唾液への味物質の溶出度合に影響を与える。本研究では、うま味がもたらす味や触感への効果を検討した。その結果、食品が柔らかいと咀嚼時に崩壊しやすいこと、さらに咀嚼時に水分とともに味成分が多く溶出するため、塩味が強く感じられることが分かった。また、味成分が不均一に分布していると濃度差による味刺激のため、味が強く感じられる傾向にあり、対比効果も起こりやすいことが示唆された。これらの知見を食品に応用することで、減塩へ繋がると考えられる。
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