研究課題
基盤研究(C)
0℃以下から食品の氷結点までの温度帯である氷温を用いた豚肉の熟成は、0℃以上のチルド帯(4℃)での熟成と比較し、熟成期間中の一般生菌数の増殖を強く抑制した。一方、熟成期間中の総遊離アミノ酸濃度の増加はあまり抑制しなかった。加えて、氷温での長期熟成は豚肉の食感が柔らかくなることを理化学的評価および官能評価で明らかにした。そのため、氷温での豚肉の長期熟成は総遊離アミノ酸の増加およびテクスチャーの向上が望める方法であることが示唆された。
食品化学
氷温域を利用した食肉の熟成は生菌数の増殖を強く抑制することから、従来の0℃以上のチルド帯を用いた熟成方法よりも長期熟成が可能である。さらに氷温で長期熟成により総遊離アミノ酸の増加および食感が柔らかくなることを確認した。そのため、氷温を用いた豚肉の長期熟成は食肉の付加価値を向上しうる技術として期待される。