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2019 年度 実施状況報告書

米国におけるプロボスト等の役割と意思決定におけるIRの活用に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 18K02271
研究機関山形大学

研究代表者

浅野 茂  山形大学, 企画部, 教授 (50432563)

研究分担者 藤原 宏司  山形大学, エンロールメント・マネジメント部, 教授 (30790563)
土橋 慶章  神戸大学, 大学戦略企画本部, 政策研究職員 (90730664)
研究期間 (年度) 2018-04-01 – 2021-03-31
キーワードプロボスト / Institutional Research / Inst. Effectiveness / 意思決定 / 大学経営
研究実績の概要

2019年度は、前年度の文献レビューを通じた収集した情報に加え、米国の大学を訪問して実施したプロボスト3人へのインタビュー調査の結果を整理した。また、9月にニューメキシコ州に所在する6つ大学(コミュニティ・カレッジ、単科大学、4年制大学)を訪問し、プロボスト6人へのインタビュー調査を実施した。
加えて、次の3点について国内外の大学を対象に調査を行った。(1)米国の“The Integrated Postsecondary Education Data System ”(通称、IPEDS)の公開情報(Institutional Characteristics)を活用し、米国の高等教育機関においてプロボスト職を置いている大学リスト(4年制大学:3627機関)を作成した。そのうち、ミネソタ州及びニューメキシコ州に所在する130機関について、各機関のホームページからプロボストに係る詳細情報を収集した。(2)米国の“HigherEdJobs”(高等教育機関における専門職等の採用情報の掲載サイト)において、Provostを公募している大学の採用要件を整理した。(3)国内の大学においてプロボストに相当すると考えられる「総括理事」を置く大学の規則、規程等から期待される役割等を確認した。
これらの調査結果から、次の暫定的な結論が示唆された。(1)米国の大学におけるProvostについては、職名に加え、職務範囲も機関によって異なるため、一様に捉えることは難しいものの、学長の下で大学全体の予算、人事、組織改編の調整権を持つこと、博士号を保有し、学部長または教員のキャリアを有している場合が多い。(2)日本の大学においては、「総括理事」という名称を取り入れている機関は少ないうえ、米国のようにプロボストの役割は明確化されておらず、責任と権限も限定的にしか付与されていない。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

申請時の研究計画に沿って、2019年度は研究分担者及び研究協力者との連携により、プロボストに関する情報の収集と整理を行った。それらの結果は、令和元年8月23日(金)に神戸大学において開催された「大学評価・IR担当者集会2019」の「IR実務担当者セッション」で報告するとともに、研究代表者が行った計8件の招待講演、さらには文部科学省中央教育審議会大学分科会の下に設置された「教学マネジメント特別委員会」の委員として参画した委員会において、情報提供を行った。
一方、2020年2月中下旬に予定していた米国での訪問調査は、新型コロナウィルスの感染拡大により中止することを余儀なくされた。そのため、一部、研究計画を2020年度に順延することとした。
以上のことから、研究発表、招待講演、教学マネジメント特別委員会等を通じて部分的に成果を発信したものの、計画の一部に遅れが生じているため、本研究は「おおむね順調に進展している」と判断した。

今後の研究の推進方策

米国、そして日本の大学において、学長及び理事等の役職者にアプローチしてインタビュー調査等を実施するのは容易ではない。そのため、調査対象者は限定されてしまうが、引き続き、研究協力者との連携及び研究代表者及び研究分担者がこれまで築いてきた米国の大学におけるIR実務者とのネットワークを通じて、インタビュー対象者の拡大を図る。
なお、新型コロナウィルスの感染拡大が収束した場合、数大学を訪問し、プロボスト等へのインタビュー調査を実施する予定を立てている。加えて、国内における大学の状況についても情報収集を行い、指定国立大学の認定を受けている京都大学、東北大学、名古屋大学で整備されている規則や規程等の詳細な情報提供、インタビュー調査等の実施を調整する。
上記に加え、前年年度に作成した米国のプロボスト職設置大学リストを活用し、大学のHP等を通じて、情報収集を実施する予定である。その結果を基に、学会発表、論文等を通じた成果の発信を予定している。

次年度使用額が生じた理由

2019年度は、運営費等による出張と併せて海外調査を実施したことにより、本基金からの支出抑制を図ることができた。一方、新型コロナウィルス感染拡大に伴い、予定していた一部の訪問調査が実施できなくなった。こうした事態を踏まえ、当初、使用予定であった旅費を次年度に繰り越すこととした。
最終年度に当たる2020年度は、この繰越金を活用し、米国の大学への訪問調査を行い、プロボスト等へのインタビュー調査の実施に加え、学会発表、論文等を通じた成果発信を予定しており、その際の旅費等として使用する予定である。

  • 研究成果

    (13件)

すべて 2020 2019 その他

すべて 国際共同研究 (1件) 学会発表 (10件) (うち招待講演 9件) 備考 (2件)

  • [国際共同研究] NILOA/University of South Florida/Santa Fe Community College(米国)

    • 国名
      米国
    • 外国機関名
      NILOA/University of South Florida/Santa Fe Community College
    • 他の機関数
      3
  • [学会発表] 山形大学におけるIRと質保証2020

    • 著者名/発表者名
      浅野茂
    • 学会等名
      琉球大学質保証勉強会
    • 招待講演
  • [学会発表] 大学経営、質保証におけるIRの役割~山形大学における実践事例を通じて~2020

    • 著者名/発表者名
      浅野茂
    • 学会等名
      鹿児島大学トップセミナー
    • 招待講演
  • [学会発表] 米国IR事情:Provostについて2019

    • 著者名/発表者名
      浅野茂;藤原宏司;土橋慶章
    • 学会等名
      大学評価・IR担当者集会2019
  • [学会発表] 教学マネジメントを支える基盤~IRの機能強化に向けた提案~2019

    • 著者名/発表者名
      浅野茂
    • 学会等名
      中央教育審議会教学マネジメント特別委員会第8回
    • 招待講演
  • [学会発表] 山形大学における教育の質保証強化の実践事例2019

    • 著者名/発表者名
      浅野茂
    • 学会等名
      帯広畜産大学IR勉強会
    • 招待講演
  • [学会発表] 山形大学におけるIRについて2019

    • 著者名/発表者名
      浅野茂
    • 学会等名
      東北地区学生指導研修会
    • 招待講演
  • [学会発表] 教育動向と教育改革2019

    • 著者名/発表者名
      浅野茂
    • 学会等名
      東北地区国立大学法人等技術職員研修
    • 招待講演
  • [学会発表] 教育の質保証と教学マネジメントの今後について2019

    • 著者名/発表者名
      浅野茂
    • 学会等名
      宮崎大学2019年度第1回FD研修会
    • 招待講演
  • [学会発表] IRとは? ~山形大学における実践から~2019

    • 著者名/発表者名
      浅野茂
    • 学会等名
      令和元年度人材育成セミナー「大学等のIR実務担当者向けセミナー」
    • 招待講演
  • [学会発表] 山形大学における IR/IEの実践事例2019

    • 著者名/発表者名
      浅野茂
    • 学会等名
      継続的改善のためのIR/IEセミナー
    • 招待講演
  • [備考] 次世代形成・評価開発機構「Conference Presentations」

    • URL

      https://ir.yamagata-u.ac.jp/conference-presentations/

  • [備考] 次世代形成・評価開発機構「Invited Presentations」

URL: 

公開日: 2021-01-27  

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