今日の学校には、PDCA サイクルなどの用語に象徴されるように、一連のプロセスの中に「評価」を位置づけて、カリキュラム開発を進め、実践を改善していくことが求められている。現代ではカリキュラム評価と呼ばれているこうした課題は、用語自体は新しいものの、過去にも存在していたものである。しかしながら、従来の研究では、これまで本格的な歴史的検討が行われてこなかった。カリキュラム評価の歴史的事例を検討することで、本研究では、わが国における教科概念の成立に関する先行研究の指摘を再検討するとともに、教育の現代的課題に対して歴史的な示唆を提示した。
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