研究課題/領域番号 |
18K02285
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分09010:教育学関連
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研究機関 | 大阪公立大学 (2022-2023) 大阪府立大学 (2018-2021) |
研究代表者 |
森岡 次郎 大阪公立大学, 大学院現代システム科学研究科, 教授 (10452385)
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研究分担者 |
福若 眞人 阪南大学, 流通学部, 准教授 (50844445)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 他者への欲望 / 他者 / 能力主義 / 教育関係 / 特別支援教育 / E. レヴィナス / 遠山啓 / 多様な学び |
研究成果の概要 |
本研究では、教育関係における「うまくいかなさ」について、「他者への欲望」という哲学的な概念を用いて考察を行った。 「うまくいかなさ」といっても、それは教育の「失敗」を意味するものではない。私たちは教育の計画を立てて子どもに対する教育的働きかけを行うが、それはしばしばうまくいかない。教育という人間関係には、必然的に不確実性が含まれている。それを完全に取り除いて教育を「うまくいく」ようにするのではなく、「うまくいかないこと」に積極的な意義を見出すための理論的研究を行った。 こうした研究は、知識や技術の伝達が困難な特別支援教育の実践において、その教育関係を支える基礎的な原理になり得るはずである。
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自由記述の分野 |
教育学
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
教育学において、あるいは、教育的な言説全般において、どうすれば教育が「うまくいくか」、大人の価値を子どもにおいて実現するのか、という方向から多くの議論がなされてきた。しかし、本研究を通じて、私たちは「うまくいかなさ」の中に積極的な意義を見出すことが出来る、ということが明らかとなった。 今後、未来予測はより一層困難となり、不確実性が教育においても重要な課題となる。すべてを思い通りにコントロールするのではなく、理解も操作も不可能な領域を肯定することが必要となるだろう。本研究成果により、とりわけ特別支援教育においては、思い通りに発達しないことに積極的な意義を見出すことが出来るようになる。
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