研究課題/領域番号 |
18K02289
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研究機関 | 国際基督教大学 |
研究代表者 |
佐藤 千津 国際基督教大学, 教養学部, 准教授 (20271356)
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研究分担者 |
前田 耕司 早稲田大学, 教育・総合科学学術院, 教授 (60219269)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | 教員養成 / 教師教育 / 質保証 / アクレディテーション / 専門性基準 |
研究実績の概要 |
本研究は、まずイギリス(スコットランド)とオーストラリア(ビクトリア州)の教員養成機関(本研究では大学を対象とする)に対するアクレディテーション(機関に対する外部評価とそれに基づいた認定)の実施過程に着目し、アクレディテーションにおける外部評価と内部質保証(各機関内部の自己評価)の連動メカニズムとそれを成立・機能させる要件の解明を目的としている。そのうえで、これら二つの地域の質保証モデルを比較の枠組みとしながら、日本の教員養成の質保証システムに固有の特質と構造的課題を明らかにすることを試みる。今年度はオーストラリア調査を中心に実施した。オーストラリアの教員養成のアクレディテーションは、これまで各州の評価基準・手続きに従って実施されてきた。しかし、学校教育のカリキュラムの全州共通化に伴い、国家レベルで全州共通の評価基準・手続きが定められるようになった。この共通手続きに基づいて各州がアクレディテーションを運用するという、いわば権限分有型の質保証を行っている。州による分権政治が基本であったオーストラリアで、これまでにない変化として生成しつつある中央集権的な施策に各大学がいかに対応しているのかを主にモナシュ大学の教員養成課程を事例として調査を行った。モナシュ大学はオーストラリア最大規模の教員養成機関であり、そこでの質保証の成否がオーストラリアの教員養成に持ち得るインパクトは大きい。文献調査、及び研究協力者との定期的なズーム会議により、アクレディテーションにおける教師の専門性基準及びアクレディテーション規準の機能の分析とそれが大学の内部評価指標の機能に及ぼす影響の調査と分析を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初に予定していた通り、文献調査及び海外の研究協力者との定期的な遠隔会議を実施し、アクレディテーションにおける教師の専門性基準及びアクレディテーション規準の機能の分析とそれが大学の内部評価指標の機能に及ぼす影響の調査と分析を進めることができた。
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今後の研究の推進方策 |
2019年度はイギリス(スコットランド)調査を中心に実施する計画である。GTCS(General Teaching Council for Scotland)の協力を得ながら、スコットランドの教員養成の質保証システムに関する調査を実施する。これによりアクレディテーションにおける専門性基準等の機能と連動メカニズムを抽出・分析する予定である。同時並行的に、オーストラリアの研究協力者との遠隔会議を定期的に続け、オーストラリアの事例に関する分析も継続し、成果発表に向けた整理を行う。
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次年度使用額が生じた理由 |
当初は今年度に実施を予定していた現地調査の一部に関して、遠隔会議の定期的な実施により、海外の研究協力者との打ち合わせ等を含め、効率的かつ経済的に進めることできた。また、次年度使用分については、遠隔会議等により進捗した研究の成果をまとめ、発表する準備に用いる計画である。
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