研究課題/領域番号 |
18K02294
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研究機関 | 愛知淑徳大学 |
研究代表者 |
渡邊 かよ子 愛知淑徳大学, 文学部, 教授 (90220871)
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研究分担者 |
渡辺 直登 愛知淑徳大学, グローバル・コミュニケーション学部, 教授 (90175109) [辞退]
今井 裕紀 新潟国際情報大学, 経営情報学部, 講師 (20866529) [辞退]
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | メンタリング / 青少年 |
研究実績の概要 |
コロナ禍の影響と研究代表者の闘病のため、1年間の延長をおゆるしいただいて臨んだ5年目となる研究であったが、研究代表者の入院を含む長期にわたる闘病のために、誠に残念ながら、十分な成果を上げたとはいえない1年間であった。 本年度は、青少年向けメンタリング運動が生涯発達と健康の視点から貧困の世代間連鎖の阻止に有効なプログラムとして促進されているカナダの事例をMENTOR Canadaの最近の報告書から分析し、カナダのメンタリング運動の特徴を明らかにした。また、最近のBLM (Black Lives Matter)を背景とした米国の批判的メンタリングの動向を分析し、青少年中心主義を掲げる批判的メンタリングが現状適応術の伝授に止まらない社会改革を目指すことで青少年向けメンタリング運動に革新をもたらしている概況を明らかにした。 5年間にわたった本研究の中心課題であるメンタリング運動の政策妥当性は、三つの方向から確定されている。第一は、メンタリングの効果に関するプログラム評価であり、思慮深く実践されているプログラムは青少年の自尊感情や対人関係、学業成績等に有効に機能しうることが明らかになっている。第二は、メンタリングの理論研究である。メンタリングの有効性の理論的根拠として、生涯発達の生態系の各レベルにおける様々な社会科学理論がその重要性と政策的妥当性を基礎づけている。第三はコスト面からの政策的妥当性であり、メンタリング・プログラムは貧困対策として高い社会的投資収益率をあげている。 本研究は、これらの政策的妥当性の確定と共に、参加者の善意から起動しているメンタリング運動の陥穽を可能な限り排除するため、倫理規範の問題やメンタリングが及ぼすネガティブな効果等、メンタリング・プログラムがより確実に効果を上げることができるよう、研究と実践の往還の強化に向けた課題を検討した。
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備考 |
Mentoring cultivates youths, 2022年9月、Impact: The Power of Knowledge (Science Impact), pp. 23-25. (www.impact.pub)
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