これまで先行研究では、「選ばれた者」に対する高校研究、成功例の研究が多くなされていた。そのため、志願者が定員に満たず生徒を選べない学校、志望者の少ない学校が求める教育の機会のあり方としての観点が少ない。そこで、本研究では公立の「教育困難高校」とされる学校層を取り上げ、教育課程のなかでも「教育困難高校」の生徒に必要な「社会的自立力」育成に関わる教育課程に焦点化している。このような視点は、高校進学率98%のなかで、低学力や怠学、高校中退が多い層の高校の生徒に、高校での再チャレンジの場と必要と感じられる学びの教育課程の可能性を提示する点で社会的意義を持つ。
|