研究課題/領域番号 |
18K02299
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研究機関 | 福島大学 |
研究代表者 |
浅野 かおる 福島大学, 行政政策学類, 教授 (10282253)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | 住民自治センター |
研究実績の概要 |
平成30年度には、韓国の住民自治センターに関して、全国住民自治博覧会に参加して地域活性化分野・学習共同体分野・住民自治分野の優秀事例発表やセミナー等を通しその動向を把握するとともに、京畿道平生教育振興院および富川市(京畿道)において調査を行った。「邑・面・洞平生学習センターの運営」(平生教育法)を進めてきた邑・面・洞「幸福学習センター」運営支援補助金事業(教育部)が2014年度から開始されたが、富川市では2014年度にこの事業に選定(3年間支援)されて三つの洞住民自治センターを幸福学習センターに指定し、幸福学習センターに配置する幸福学習マネージャーの養成課程の運営も始めた。富川市では、2017年度より幸福学習センターを富川市独自の名称として「学習バンディ」と称することにし、36洞全ての洞の住民自治センターを学習バンディに指定している。また、幸福学習マネージャーを「学習バンディマネージャー」として学習バンディに配置している。学習バンディの運営には、平生教育課(富川市平生学習センター)、自治行政課、各洞住民自治センターの住民自治委員会が関与している。2015年から富川市平生学習センターが住民自治委員の研修(住民自治力量教育)を実施しており、民間機関への委託ではなく、平生学習センター(平生教育士)が直接運営して教育内容・方法を改善しながら進めていることは注目に値する。 また、住民自治センターと地域住民自治組織をめぐって「住民自治会」を軸に進められる再編の動向については、各自治体で独自に住民自治会を設置する動きがある。国レベルでは、地方自治法全部改正法律案が2019年3月19日に国会に上程され、その中に「住民自治会」(第25条)について規定されている。住民自治会をめぐる動きは住民自治センターの運営に影響を与えるものであり、本研究の課題とも関わるので引き続き動向を追っていきたい。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
本研究では、まちづくり・地域づくりを担う日本の公民館と韓国の住民自治センターとの比較研究を行なうものだが、日本・韓国ともにその動きが速いこともあり、日本の公民館に関する研究がやや遅れている。この点は、研究分担者を1名追加し研究体制を補充することで改善して研究に臨みたい。
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今後の研究の推進方策 |
富川市では2019年7月に36洞を10広域洞に再編する予定であるため、それに伴う変化の把握と、より実証的な調査研究のために、継続して富川市の調査を行う。また、邑・面・洞平生学習センターをめぐる各自治体の動向について条例等を通して把握するとともに、富川市調査もふまえて、平生教育士が関与する住民自治センターを対象に他の地方自治体の調査も進めていきたい。さらに、先に述べたように、住民自治会をめぐる動きは住民自治センターの運営に影響を与えるものであり、本研究の課題とも関わるので引き続き動向を追っていきたい。韓国研究を日本の公民館をめぐる動向の研究と照らして考察を進めたい。
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次年度使用額が生じた理由 |
次年度使用額50,922円が生じたのは、日本の公民館に関する研究が不十分であったためである。次年度は、研究分担者を1名追加して公民館研究を進めるため、今年度同様に韓国の調査研究に必要な旅費や通訳謝金、書籍等の物品費に加えて、日本国内の旅費にもさらに助成金を使用する。
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