本研究課題は最終年度(2020年度)に新型コロナウィルス感染症拡大防止のため韓国への渡航禁止となり、3度の1年延長が認められて2023年度が最終年度となった。2023年度にはこれまで収集した資料の翻訳・分析、インターネットを通じての情報の収集と合わせて、韓国に渡航して研究資料の収集を行った。2023年4月改正平生教育法では、2014年同法改正時に新設された邑・面・洞平生学習センターに関して、設置または指定・運営が義務化され、2024年4月施行とされた。忠清南道牙山市では2024年1月より邑・面・洞住民自治センター全17か所の平生学習プログラムを牙山市平生学習館に移管し、邑・面・洞住民自治センターの名称も「邑・面・洞平生学習センター」に変え、17か所全てに平生教育士の資格をもつ「平生学習コーディネーター」を配置した。一方、京畿道議政府市では、2022年に洞住民自治センターの平生学習プログラムの運営主体を洞住民自治会から市平生学習院に移管したが、1年後には洞住民自治会に戻され、議政府市は14の洞住民自治会に住民自治センターの運営を委託した。洞住民自治会の運営に戻された背景には、市平生学習院が運営する平生学習プログラムに対し、地域住民から以前の洞住民自治センターの平生学習プログラム運営を要望する声が多かったからであった。法改正による邑・面・洞平生学習センターの運営の義務化により、邑・面・洞住民自治センターの空間やプログラムを活用して邑・面・洞平生学習センターに指定する事例が増えることが予想される。住民自治会が運営する邑・面・洞住民自治センターの平生学習プログラムとは別に邑・面・洞平生学習センターの平生学習プログラムのそれぞれを運営する形態、邑・面・洞住民自治センターの平生学習プログラムを吸収して邑・面・洞平生学習センターの平生学習プログラムとして統合して運営する形態があげられる。
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