研究課題/領域番号 |
18K02303
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研究機関 | 山梨大学 |
研究代表者 |
梶原 郁郎 山梨大学, 大学院総合研究部, 教授 (30390016)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | デューイ / 科学 / 教育過程 / 知識の活用 |
研究実績の概要 |
本研究の課題は、児童生徒が科学の知識を理解・活用する認識形成過程に焦点を当てて、J.デューイの科学の教育過程を心理的・社会的両側面において明らかにすることである。この課題に次の四つの視点から取り組む。(Ⅰ)デューイの科学の教育課程を教育過程(知識の獲得・活用を保障する教授学習過程)としてどのように分析するか、(Ⅱ)その教育過程を支える教師の教育内容研究はどのような過程を採るのか、(Ⅲ)その教育過程のどの局面に、デューイが提示する民主主義社会の成員の資質形成を読み取りうるのか、(Ⅳ)その教育過程を、デューイが批判しているロックの教育学説ではどのような点で保障できないのか。以上の作業を通して本研究は、デューイの科学の教育過程の心理的・社会的側面を描き出して、デューイの科学の教育課程に関する先行研究が教育過程(認識形成過程)研究として進められていない現状を打開して、新たな知見を提供する。 本研究1年目(2018年度)における成果は次の通りである。(1)「 J.デューイの経験主義における教師の専門的役割-教師の教育内容研究の手続きに着目して『子どもとカリキュラム』を再読する-」(東北教育哲学教育史学会『教育思想』第45号、2018年、1-16頁)、(2)学会発表「J.デューイの負の「知性」論の今日的リアリティー-『民主主義と教育』における学校教育の負の教育作用-」日本デューイ学会第62回大会(2018年9月24日(月):名古屋大学:発表要旨集60-61頁)。(1)は、上述の視点(Ⅱ)からの研究成果で、視点(Ⅰ)にも関わっている。(2)は、上述の(Ⅲ)の視点に関わって、民主主義社会の成員の資質形成の裏面を明らかにしたものである。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究の課題は、児童生徒が科学の知識を理解・活用する認識形成過程に焦点を当てて、J.デューイの科学の教育過程を心理的・社会的両側面において明らかにすることである。この課題に、「研究実績の概要」の欄に記した四つの視点から取り組む。その視点(Ⅱ)からの研究成果を本研究1年目は、上述の論文(「J.デューイの経験主義における教師の専門的役割」)に纏めた。これは視点(Ⅰ)にも関わるものである。また視点(Ⅲ)からの研究成果も上述の学会発表(「J.デューイの負の「知性」論の今日的リアリティー」)として報告した。以上が本研究1年目(2018年度)の進捗状況である。
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今後の研究の推進方策 |
本研究の課題は、児童生徒が科学の知識を理解・活用する認識形成過程に焦点を当てて、J.デューイの科学の教育過程を心理的・社会的両側面において明らかにすることである。この課題に、「研究実績の概要」の欄に記した四つの視点から取り組む。この課題の検討を、本研究1年目(2018年度)の研究成果を踏まえて、本研究2年目(2019年度)以降は、視点(Ⅰ)(Ⅲ)(Ⅳ)からデューイの科学の教育過程を心理的・社会的両側面を検討する。本研究2年目は、上述の学会発表(J.デューイの負の「知性」論の今日的リアリティー)を論文にまで纏める作業をはじめ、研究を進めていく予定である。
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