研究課題/領域番号 |
18K02305
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研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
朴木 佳緒留 神戸大学, 人間発達環境学研究科, 名誉教授 (60106010)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 女性被災者支援 / インタビュー調査 / ワークショップ / ジェンダー |
研究実績の概要 |
2020年度には新型コロナウィルスの感染拡大のため、当初に予定していた現地調査のほとんどが実施不能となった。本研究の調査対象地域は高齢化率が高く、かつ、感染者が少数であるため、地域の人々は県外からのウィルス持ち込みについて、相当に高い緊張感をもって臨んでいる。他方、本研究の代表者と研究協力者は緊急事態宣言が発出された地域の居住者である。これらの事情のため、現地への調査訪問については、事実上、断られる状況が続いた。この間、調査対象地との関係維持のため、研究協力者が現地の代表者と打ち合わせ等の各種連絡を行い、また、目立たない形で短期日の現地訪問も行ってきたが、いまだにインタビューおよびワークショップを実施する見通しを立てることができない。したがって、研究内容も変更せざるを得ず、2020年度に現地で実施予定であったワークショップを取りやめ、代替措置として、阪神淡路大震災を経験した伊丹市と神戸市において、ワークショップの内容を若干変更して実施した。具体的には、現地調査を基に検討した女性被災者への支援策について、阪神淡路大震災を経験した土地の居住者に評価してもらうこととした。その評価者は阪神淡路大震災の被災者であり、現在は防災士等の災害関連のボランティア活動を行っている者および直接の被災経験はないが、災害支援に関心を持っている若者とした【ワークショップ「災害から『命と多様性』を守るココロの準備」2020年11月14日、東リ・いたみホール(伊丹市)、2021年3月11日、あすパーク(神戸市)】。また、2020年度には福島県からの原発事故避難者(母子避難者)へのインタビュー調査を行う予定であったが、調査対象者からの同意を得ることが出来なかった。 以上の事情より、2020年度には文献研究とデータの分析に注力した。また、本研究期間を1年延期することとした。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
新型コロナウィルスの感染拡大により、本研究の調査対象地への訪問について、現地の責任者から訪問を控えるよう示唆され(事実上、調査を断られ)、予定していた調査のほぼすべてが未実施となったため。また、研究代表者および研究協力者は緊急事態宣言が発出された地域の居住者であり、出張等の制限があったり、インタビュー調査も遠慮せざるを得なかった。
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今後の研究の推進方策 |
当初に予定していた調査対象地域における「女性被災者支援策の評価ワークショップ」に替えて、阪神淡路大震災の被災経験がある者に「女性被災者への支援策」について評価してもらう。この変更については、すでに2020年度に一部、試行した。2021年度は2020年度の試行結果を精査し、代替策の適当性を判別した上で、新たな調査として設定したい。福島県からの原発事故による母子避難者へのインタビュー調査について、調査対象者が感染拡大地域の居住者であったため未実施となったが、今後の新型コロナウィルスの感染状況を見極めつつ、アンケート調査に切り替えることを検討する。2021年度は、現地調査の実施可能性を探りつつも調査内容と方法の変更を精査し、女性被災者支援策についての総合的検討を進め、まとめたい。
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次年度使用額が生じた理由 |
2020年度は新型コロナウィルスの感染が拡大したため、予定していた調査のほとんどを実施することが出来なかったため、旅費支出については、調査対象地に赴くことができず、文献調査及び研究会参加のために使用した。そのため予定していた旅費を消化できなかった。 次年度のコロナ感染状況の行方が明確ではないため、調査対象地への旅費を減じて、研究代表者の居住地域デワークショップを開催することとした。 使用計画:旅費(神戸―大船渡、3泊4日、3名)710400円、報告書作成:70000円、謝金:テープ起こし(24000×4件)96000、ワークショップ経費(会場代、スタッフ謝金、会議費)52000円、消耗品(印刷機インクなど)23960
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