研究課題/領域番号 |
18K02305
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分09010:教育学関連
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研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
朴木 佳緒留 神戸大学, 人間発達環境学研究科, 名誉教授 (60106010)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 女性被災者支援 / インタビュー調査 / ジェンダー |
研究成果の概要 |
東日本大震災の女性被災者へのインタビュー調査等により、女性被災者の実感を活かした支援方策を検討した。女性被災者の実感は以下である。①避難所の運営についての評価は良好であったが、「被災者なのに」という遠慮が混交していた。②ローカルルールによる意思決定がなされた。伝統的な家父長制感覚を付帯したものであるが、女性たちにはなじみがあり「安心感」をもつ側面もあった。③女性は小さな単位で、実質的な「リーダー役」を果たした。④少人数のグループ活動が長期の避難生活を支えた。女性被災者支援策は、避難所運営や被災後の生活支援について地域特性を踏まえた「最適解」を得るプロセスこそを重視して検討されるべきである。
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自由記述の分野 |
社会教育
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
女性被災者支援にジェンダー平等の視点を入れる必要性が指摘されてきたが、実現困難な状況が続いていたことを受けて、ローカルルールの下で生活している女性被災者に、ジェンダー平等方策を届ける方法を検討した。①なじみがあるローカルルールは安心感をもたらすため、その側面を捨てることなく、ジェンダー平等策を探る必要がある、②長期にわたる避難生活を支えたものは自宅以外の場所での、少人数でのグループ活動である等の知見を得た。今後の女性被災者支援においては、「あるべき姿」の提示ではなく、被災女性にとっての実効性ある方法の探求が必要である。この視点は支援方策理論化のためだけではなく、実践的にも役に立つものである。
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