研究課題/領域番号 |
18K02310
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研究機関 | 首都大学東京 |
研究代表者 |
大串 隆吉 首都大学東京, 人文科学研究科, 客員教授 (70086932)
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研究分担者 |
降旗 信一 東京農工大学, (連合)農学研究科(研究院), 教授 (00452946)
阿部 英之助 大東文化大学, 社会学部, 准教授 (10408982)
児美川 孝一郎 法政大学, キャリアデザイン学部, 教授 (50287835)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | キャリア意識 / 職業意識 / 特色ある教育活動 / 進学・職業指導 / 居場所づくり |
研究実績の概要 |
本研究の目的は、高校普通科における教育活動の中でキャリア教育の効果をあげている事例を調査し、理論化を行うことにある。昨年度おこなったいくつかの高校調査から、設置主体、地域性、生徒の学力、進学・就職実績を勘案し三つの高校を調査対象とした。今年度はその中から公立の長野県立松本美須々ヶ丘高校、神奈川県にある私立旭丘高校を調査した。法政国際高校については次年度行う。 その際の問題意識は、①普通科の生徒のキャリア意識・職業意識の特徴、②学校の重点的な教育方針や特色ある教育活動は、生徒のキャリア意識。職業意識の形成にどう関連しているのか、②生徒の自尊感情や社会観は、キャリア意識・職業意識にどう関連しているのか、④とりたてての進学・就職指導はキャリア意識・職業意識にどのような効果を持っているのか、というものである。 以上の問題意識に沿って、松本美須々ヶ丘高校の全生徒にアンケート調査を行った。回収・集計は終わっているが、新コロナウイルスの影響により、分析は遅れている。旭丘高校については、校長・教頭、進路指導担当教員、生徒会役員にインタビューを行い、文化祭などを見学した。 また、神奈川県立田奈高校調査は断念したが、学校カッフェ、引きこもりの若者の就労調査を継続することにした。不登校や引きこもりの若者の就労による社会参加が、キャリ意識形成に及ぼす影響をしることにより、高校のキャリア教育のヒントになるものをさぐるためで、今年は清掃業、高齢者介護施設の若者にインタビューを行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
松本美須々丘高校については、校長を含む教職員のインタビューおよび生徒へのアンケート調査を行った。この調査の分析は、今回の研究・調査の中心になる。 旭丘高校については、2度訪問調査ー校長・教頭へのインタビュー、生徒会役員へのヒアリングを行い、文化祭を見学した。 学校カッフェについては、担当の石井氏にインタビューを行った。就労意識の特徴を知るために、高齢者介護施設、清掃業に従事する若者にインタビューを行った。
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今後の研究の推進方策 |
第一は、松本美須々ヶ丘高校生徒に対して行ったアンケート調査の分析である。仮説の実証のためにクロス集計を行い、他の関連する調査結果との比較、追加的な調査、現場の教師の意見を踏まえて分析する。 第二は、旭丘高校の教育活動の実際について、特に課題研究の職業体験の調査、不登校経験を持つ生徒への聞き取り、集団指導と個別指導の関連が課題となる。 第三は、法政国際高校の調査を行う。 第四は、若者就労支援者の聞き取り調査を継続し、キャリア教育の在り方について考察する。 第五は、新コロナウイルスによる休校などの体験がキャリア意識に与えた影響も調査したい。
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次年度使用額が生じた理由 |
三月末に、ドイツ・カッセル大学ヴェルナー・トーレ教授、ユリアン・ゼーマー研究員を招き、東京の就労支援団体の見学、交流に同伴し、奈良教育大学で予定されていた日独子ども・若者支援シンポジウムに参加する予定だったが、新コロナウイルス感染問題のため、延期となり、次年度に日本又はドイツで行うシンポジウムに参加するために使用する。
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