研究課題/領域番号 |
18K02322
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研究機関 | 相愛大学 |
研究代表者 |
長谷川 精一 相愛大学, 人文学部, 教授 (40269824)
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研究分担者 |
越水 雄二 同志社大学, 社会学部, 准教授 (40293849)
北澤 義之 京都産業大学, 国際関係学部, 教授 (90257767)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 複言語主義 / 単言語主義 |
研究実績の概要 |
新型コロナウィルス感染症拡大の影響のため、2020年度には国外、国内ともに十分な調査を行うことができなかった。日本に関しては、複言語主義ではなく、従来の、実質的には日本語単言語主義と名目上の「グローバル化」への対応のために英語という単言語主義を教育政策上は進めるという現状が続いているが、その相対化が今後の課題となる。 フランスに関しては、言語教育は、19世紀の近代公教育制度の形成過程で、初等段階は標準フランス語単一主義で行われたが、中・高等段階は18世紀までのラテン語単一主義がフランス語の導入により複言語主義へ転換され19世紀末には英語も加わっていった。この状況が今日では初等段階にも共通するようになり、公教育全体が複言語主義で行われていると見なせる。近年の言語教育の成果は、教育統計の数値だけではなく、社会生活や政治文化の変容を探る研究からも考察する必要があろう。 アラブ地域に関しては、2020年度も引き続き中東専門機関での文献調査と識者との意見交換による研究を予定していたが、感染症の拡大により不可能となったため、これまでに収集した資料をもとに主に2019年度の以下の3つの研究視角を再検討した。すなわち、(1)アラビア語をめぐる特殊状況の局面(フスハ―(文語)とアーンミーヤ(口語)の階層的関係と「棲み分け」(ダイグロシア)とともに、両者の中間形態である知識人のアラビア語、若者の使用するアラビア語の存在に注目)、(2)外国語(主に英語)の受容をめぐる局面(英語(または仏語)が社会的上昇に不可欠の言語となる一方で、アラビア語の重要性の漸次的低下が、社会の対応や言語政策にどう結びついてくるかの考察)、(3)アラブ諸国におけるマイノリティ言語話者とアラビア語のローカルな関係の局面(複数のマイノリティ言語話者とアラビア語話者の関係に関する研究の重要性)。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
新型コロナウィルス感染症拡大の影響のため、2020年度には国外、国内ともに、調査、史資料収集のための出張が不可能となり、十分な研究を行うことができなかった
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今後の研究の推進方策 |
感染症の状況を見極めつつ、十分な対策を講ずることを前提に、可能な限りで、史資料の収集、調査を再開していきたい。
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次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナウィルス感染症拡大の影響のため、調査・研究のための出張ができなかったため。感染症の動向を見据えながら、2021年度には出張を再開したい。
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