研究課題/領域番号 |
18K02324
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研究機関 | 国立教育政策研究所 |
研究代表者 |
植田 みどり 国立教育政策研究所, 教育政策・評価研究部, 総括研究官 (20380785)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | チーム学校 / 働き方改革 / ティーチングアシスタント / イギリス |
研究実績の概要 |
本研究は、多様な専門性を有した人材によって構成される教職員組織を効果的に活用し、学校の教育効果を向上させるためのマネジメントシステムを開発することを目的としている。 1年目の本年度は、第1に、教師論や教職論等の理論研究及び、勤務実態調査等の先行調査等に関する文献研究を行った。理論研究では、新しい教育課題等の学校及び教員を取り巻く環境の変化により、従来の教師論や教職論等の理論研究だけでは整理できない、教員の役割や業務があることが明らかとなった。今後はその点も踏まえた理論的な整理を行い、教員がすべきでない業務の理論的基盤及び分析枠組みの検討を行う。 第2に、「チーム学校」の議論や働き方改革の政策動向等の情報整理を行い、現在の日本における教職員組織に関わる改革の論点整理を行った。2015年12月の中教審答申を経て、2019年1月に中教審から「新しい時代の教育に向けた持続可能な学校指導・運営体制の構築のための学校における働き方改革に関する総合的な方針について(答申)」が公表され、また文部科学省が「公立学校の教師の勤務時間の上限に関するガイドライン」を策定するなど、「チーム学校」の実現を図るための働き方改革も含めた様々な施策が実施されている。本研究ではその政策動向を整理した。 第3に、次年度に予定しているイギリス及び日本におけるフィールドワーク調査の滞在校の選定等の事前準備を行った。2018年7月にイギリス調査を実施し、その際に複数の学校を訪問し、教員以外の職、特にティーチングアシスタント(TA)の活動実態や勤務管理、研修等の実態を把握すると共に、フィールドワーク調査の趣旨説明と受け入れの可能性についての検討依頼をした。その結果、2校の調査対象校を得ることができた。またその後の調査依頼も含めてこの2校に加えて複数校の調査対象校の候補を得ている。今後具体的な日程を調整する予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初予定していた、文献研究及び次年度のフィールドワーク調査の準備及びプレ調査ができたため。
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今後の研究の推進方策 |
2年目においては、イギリス及び国内のフィールドワーク調査が中心となる。 文献研究等によって整理された理論的基板を基に分析枠組みの精緻化を図り、フィードワーク調査の調査枠組みの検討及びフィールドワーク調査を実施する。実施後は、調査結果の検証を行うと共に、次年度への準備を行う。
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次年度使用額が生じた理由 |
当初、その他の経費で予定していた資料の翻訳を行わなかったため。 繰り越した金額は、次年度においてフィールドワーク調査時に収集した資料の翻訳あるいはデータ入力等に使用する。
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