研究課題/領域番号 |
18K02327
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研究機関 | 秋田大学 |
研究代表者 |
佐藤 修司 秋田大学, 教育学研究科, 教授 (70225944)
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研究分担者 |
佐藤 広美 東京家政学院大学, 現代生活学部, 教授 (20205959)
谷 雅泰 福島大学, 人間発達文化学類, 教授 (80261717)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 東日本大震災 / 復興教育 / 人口減少社会 / 危機管理 |
研究実績の概要 |
2019年末からの新型コロナの感染状況が改善せず、また、秋田大学における県外移動の規制が厳しいままであったことなどにより、秋田県外での発表、東日本大震災被災地等への訪問調査をほとんど行うことができなかった。ただ、感染状況が比較的落ち着いていた11月に福島の震災遺構浪江町立請戸小学校跡地や双葉町の東日本大震災・原子力災害伝承館、富岡町のとみおかアーカイブ・ミュージアム、いわき湯本温泉古滝屋の展示施設を訪問し、震災経験の伝承の状況を調査した。 また、10月には、秋田県八峰町教育委員会を訪問し、教育長および八森小学校長、八峰中学校長から学校、教育行政の状況について話を聞き、また、八峰町の白神世界遺産地域の地形、自然等についての探査を行った。加えて、五城目小学校を訪問し、学校内を見学するとともに、学校長より、学校設立の経緯や学校の取り組みについて話を聞いた。地域と学校との連携のあり方について、2019年に秋田大学を会場にした日本教育政策学会の公開シンポジウムにおいて五城目小学校の取り組みを取り上げたが、その後の状況も含め、五城目の移住者増加策、地域おこし等との関わりを探ることができた。 秋田大学教職大学院発足後、2016年度から2019年度まで、岩手および宮城の東日本大震災被災地への研修旅行を実施してきたが、その成果について論文にまとめた。教職大学院の院生が大震災の状況、復興の状況等について見聞を深め、宮城教育大学、岩手大学の教職大学院生と交流することにより、学校の危機管理の意識、必要な知識・技能を身につけていることについて分析を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
新型コロナの感染状況による制約は全国的なものであって致し方ないところであり、その影響を除けば、おおむね順調であると判断できる。
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今後の研究の推進方策 |
新型コロナの感染状況によるが、北海道地震、熊本地震に関わる調査、および秋田県の人口減少地域における地域と学校との連携の取り組みについて調査を行う予定である。また、岩手、宮城、福島の状況や、福岡、岡山などの豪雨災害地域について、過去に調査を行った学校等への再度の調査を行い、5年程度が経過した状況について明らかにする予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナの感染拡大が続き、県外移動が制限されていた。特に秋田大学では県外から帰県した場合の自宅待機期間が長かったことからほぼ県外での調査ができない状況であった。熊本地震の後の被災地の状況について訪問調査を行う予定であったが、急きょ取りやめざるを得なくなった。また、学会の研究大会もオンラインで行われたため、旅費を使う必要がなくなった。 2022年度は3回目のワクチンも終わり、また秋田大学は帰県後の自宅待機期間があるものの4日間に短縮されたことから、県外での調査を再開する予定である。北海道地震、熊本地震のその後の状況や、福岡や岡山の豪雨被災地への再度の訪問調査なども実施する予定である。これまでの聞き取り記録のとりまとめと、その分析についても今年度中に取り組み、研究の完成を目指すこととしている。
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